「俺たちの時代だ!」あの関取は言ったかどうか不明だが、長州力は言っていた…金曜8時のプロレスコラム

師匠・アントニオ猪木にも遠慮がなかった長州力(1992年3月1日・横浜アリーナ)
師匠・アントニオ猪木にも遠慮がなかった長州力(1992年3月1日・横浜アリーナ)

 このコラムを毎週書くようになって1年がたった。第1回は、昨年12月9日に配信した「長州力『かませ犬』発言は『実際は言ってない』」というタイトルだった。期限切れになっているニュースサイトもあるので、要旨を書いておくと、こうだ。

 “滑舌の悪い”プロレスラーとして知られる長州力(65)の名勝負を収録した「長州力DVD-BOX革命の系譜 新日本プロレス&全日本プロレス 激闘名勝負集」(バップ)をネタにした。1982年に勃発した藤波辰爾(当時・辰巳)との抗争で「俺はお前のかませ犬じゃない」という名言が残っているが、発売会見で長州は「言ったかな?」「自分で名言と思って言ってるつもりはない」と首をひねった。同席した長州小力は「プロレスの記者が長州がこう言っていたというのが、刷り込まれている。実際は言ってないらしいよ」と証言。そこでDVDで検証してみたという内容だった。

 DVDには、その発言は収録されておらず、小力のコメント「実際は言ってない」を見出しに取ったため、ネット上で議論が沸き起こった。そこで昭和プロレスファンのパワーを知り、このコラムが長続きしているわけだから、記念すべき題材だったと言える。

 今回も長州力の名言をネタにする。「俺たちの時代だ!」である。これはDVDになっていないばかりか、テレビ収録もなかった大会で飛び出した。1985年8月5日、ジャパン・プロレスの大阪城ホール大会でのマイクアピール。学生時代の私は会場でこの発言を直に聞いているから、「実際に言った」と断言できる。

 それを再確認したのが、19日に発売された元週刊ゴング編集長・小佐野景浩さん(56)の最新刊「プロレス秘史1972-1999」(徳間書店)だった。“熱血プロレスティーチャー”の異名を持つ小佐野さんが、152の名勝負+馬場さん死去を496ページにわたって紹介している。

 そこにジャパンの8・5大阪城決戦が含まれていた。この時のカードは長州力VS谷津嘉章だった。当初は長州とジャンボ鶴田の頂上対決が組まれていたが、当日になって鶴田が欠場。そこで、ジャイアント・キマラ、天龍源一郎、キラー・カーン、谷津の4人から長州の相手をファン投票で決めることに。その結果が谷津だったわけだが、投票した側としては、圧倒的に天龍が多数だったと今でも思っている。

 16分0秒、ラリアットからの体固めで谷津に圧勝した長州は、マイクをつかみ「もう馬場、猪木の時代なんかじゃないぞ! 鶴田! 藤波! 天龍! 俺たちの時代だ!」とアピールした。他の相手だったなら、完全決着とはならず、ここまで歯切れの良いセリフが出なかったかもしれない。

 大相撲の暴行騒動では、被害力士が横綱に「もうあなたたちの時代じゃない」「俺たちの時代だ」などと発言したと報道され、その後の聴取で本人が否定しているようだが、長州は当時の東西横綱とも言うべき、ジャイアント馬場、アントニオ猪木を呼び捨てにして言い放っていたのだった。あの時の革命戦士に怖いものはなかった。(酒井 隆之)

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