渡辺謙、号泣「待ってるから。待ってるからいつでも顔出して」…蟹江敬三さんお別れの会

 3月30日に胃がんのため69歳で死去した俳優・蟹江敬三さんのお別れ会が13日、東京・青山葬儀所で行われた。長年共演した渡辺謙(54)やテレビドラマで名コンビを組んだ名取裕子(56)らが追悼の言葉をおくった。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」のヒロイン・能年玲奈(20)ら“あまちゃんファミリー”も駆けつけ、約700人が別れを惜しんだ。

 渡辺謙が遺影の蟹江さんに涙交じりに語りかけた。「カニさん、驚いちゃった。具合悪いなんて何にも聞いてなかったし『あまちゃん』では気持ちよさそうにいい加減なじいちゃんやってたし」。突然すぎた悲報にまだ気持ちの整理がつかない。

 日本テレビ系「火曜サスペンス劇場」の「わが町」シリーズなどで共演し、会えば近況や家族の話をする「親戚みたい」だった。長男の俳優・蟹江一平(37)の青年座入りを悩んでいた蟹江さんに「いいじゃない。おやじの背中、すてきに見えるなんてなかなかないよお」と軽口をたたいた時は「そのなんだか訳のわかんない笑顔で返してくれました」。自身の長男の俳優・渡辺大(29)の時も「その得意な笑顔が返ってきました」と俳優の父同士の交友を語った。

 その一平は一度も父との共演がなかった。病室では最後まで「お前は情けねえな」と言われ続けたという。一平は「(父は)ニヤニヤ笑いながら『100年かかってもどうってことないよ』と言ってると思います」。父の偉大さを痛感しつつ自分なりの役者道を歩むと誓った。

 渡辺にとって、いつも気になる存在だった蟹江さんがもういない。「あったかく厳しく本当にかわいがってもらいました。もっと目やにと鼻水とよだれとグズグズのカニさん、見ていたかった」と涙し、大きな音で鼻をすすった。「今でも『あまちゃん』のじいちゃんみたいに『あれはウソだったんだぜ』ってひょっこり顔を出しそうな、そんな気がしてます。いいんだよ、いつでも顔出して。隣でにっこり笑ってよ。待ってるから。待ってるから…」。男泣きで呼びかけた。

 ◆あまちゃんファミリー集結「忠兵衛さん」にお別れ 蟹江さんがレギュラー出演していた「あまちゃん」ファミリーも再集結し、別れを惜しんだ。能年が演じたヒロイン・アキの祖父役。献花を終えた能年は、目に大粒の涙をためて「そうですね、なんだか…」と言ったきり絶句。ショックを隠しきれない様子で葬儀所を後にした。渡辺えり(59)、荒川良々(40)、皆川猿時(43)、有村架純(21)らも出席した。

 ◆名取裕子「生涯忘れません」 「京都地検の女」シリーズなどでコンビを組んだ名取は、役名になぞらえ「高原部長があっての鶴丸あやですから」とポツリ。「ひたむきに役を生きた蟹江さんを生涯忘れません」とかみしめるように話した。遺作となった2時間ドラマで共演した松下由樹(45)は涙声で「蟹江さんに届くようなお芝居を届けられたら」。演劇結社の旗揚げから50年以上の親交がある石橋蓮司(72)は「蟹江、また会おう!」と天国に呼びかけた。

 ◆東映・岡田会長「大変しんどい」 発起人を務めた東映の岡田裕介会長(64)は俳優時代に蟹江さんと数回共演した役者仲間。73年TBS系ドラマ「愛子」で初共演した際には「岡田さん、そろそろお芝居しましょう」と役作りへの熱い指導を受けたという。「愛子」での蟹江さんが演じた青年も難病で命を落とす役だったことから「ドラマのように先に逝かれてしまった。あんなに芝居の好きな人を失って…大変しんどい感じです」と無念そうに語った。

 ◆その他の主な参列者 いしだあゆみ、榎木孝明、柄本明、大泉洋、香川照之、角野卓造、岸本加世子、國村隼、国生さゆり、佐野史郎、椎名桔平、塩谷瞬、杉浦太陽、高橋由美子、高畑淳子、多岐川裕美、田中健、永島敏行、平田満、益岡徹、松尾スズキ、三浦浩一、山本未來、吉行和子、渡辺いっけい、綿引勝彦(50音順、敬称略)

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