名脇役・蟹江敬三さん死去 早すぎる69歳

  NHK連続テレビ小説「あまちゃん」や日本テレビ系「熱中時代 第2シリーズ」などに出演し、名脇役として知られた俳優の蟹江敬三(かにえ・けいぞう、本名同じ)さんが胃がんのため、3月30日午前8時27分、東京・新宿区内の病院で亡くなっていたことが4日、分かった。69歳だった。昨年暮れの検査で胃がんと判明し、今年1月初旬から入退院を繰り返していた。2日、本人の遺志で密葬され、この日深夜に発表された。後日、お別れ会が開かれる予定。

 病魔の影など感じさせないまま、蟹江さんが突然逝った。

 関係者によると、昨年暮れの検査で胃がんと判明。今年1月初旬に体調が悪化して入退院を繰り返しつつ、闘病を続けていたが、3月30日朝、68年に結婚した妻・綾子さんら家族が見守る中、息を引き取ったという。世間に闘病を明らかにしなかったのは、蟹江さんの遺志。綾子さんが喪主を務め、4月2日に家族葬を終えた。

 昨年大ヒットしたNHK朝ドラ「あまちゃん」では、能年玲奈(20)演じるヒロイン・天野アキの祖父・天野忠兵衛を演じるなど、古希を前にますます充実の演技を見せていた。

 昨年12月6日に行われたNHK BSプレミアムドラマ「下町ボブスレー」(3月放送)の取材会にも姿を見せ、主演の南沢奈央(23)らと意気込みを語った。

 だが、今年1月からの緊急入院に伴い、02年の放送開始から担当していたテレビ東京系経済ドキュメンタリー「ガイアの夜明け」(火曜・後10時)のナレーターは代役が立てられていた。

 蟹江さんは64年、都立新宿高校を卒業して劇団青俳演劇研究所に入り65年に同劇団の団員になった。68年の解散後は、演出家の蜷川幸雄さん(78)らと「現代人劇場」結成に参加するなど、舞台に出演しながら、鶴田浩二、高倉健主演の戦争映画「あゝ同期の桜」(67年)で映画デビュー。アクの強い風貌と強烈な個性でチンピラやヤクザなどを演じ、日活ロマンポルノでも「犯す!」(76年)の強姦(ごうかん)によってしか満たされない陰湿な変質者の役など強い印象を残した。「十九歳の地図」(79年)「精霊流し」(02年)など代表作は数多いが、05年の映画「MAZE 南風」で演じた、骨肉腫で余命短い孫を持つ漁師役が映画初主演だった。

 テレビドラマにも70年代前半から多数出演。フジ「スケバン刑事2少女鉄仮面伝説」(85~86年)の西脇役や「鬼平犯科帳」(89年~)の小房の粂八役、近年ではNHK大河「龍馬伝」(10年)の岩崎弥太郎の父役などで知られる。03年から続くテレ朝の人気シリーズ「京都地検の女」でも、主演の名取裕子(56)の上司役で視聴者の心をつかんだ。

 関係者によれば、98年から18作目を数える土曜ワイド劇場の人気シリーズ「おとり捜査官北見志穂」(5日・後9時放送)が昨年12月に撮影された遺作。主演・松下由樹(45)の同僚刑事を演じている。ほかに待機作もあるという。

 ◆蟹江 敬三(かにえ・けいぞう)1944年10月28日、東京都生まれ。64年、高校を卒業し劇団青俳演劇研究所に入り、65年に同劇団員に。66年にTBS系「おかあさん」でドラマデビュー。67年に「あゝ同期の桜」で映画デビュー。以降は個性派俳優として活躍。97年、花王のサクセスヘアトニックのCMが人気に。13年にはNHK連続テレビ小説「あまちゃん」で主人公アキ(能年玲奈)の祖父・天野忠兵衛を演じた。68年に劇団仲間と結婚。長女は文学座所属の栗田桃子、長男は劇団青年座所属の蟹江一平。特技はギター、殺陣。身長172センチ。

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