中村福助、襲名披露を延期 脳内出血の治療優先

スポーツ報知

 松竹は20日、脳内出血のため療養中の歌舞伎俳優・中村福助(53)が来年3、4月に東京・歌舞伎座で予定していた7代目中村歌右衛門の襲名披露興行を延期することを、来年1月の歌舞伎座公演の降板と合わせて発表した。

 現在、2代目を襲名した市川猿翁(74)が京都・南座で開催中の自らの襲名興行を休演しているが「襲名興行そのものの延期は、これまで聞いたことがない」と松竹関係者が話す異例の事態。この日、マスコミ各社に送付されたファクスによると、筋力低下などが見られた福助は「総合的リハビリテーションにより、極めて順調に回復している」との診断を主治医からもらっているそうで、快方には向かっているという。

 ただ、脚のしびれや痛みで歩行に影響する「腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症」の治療を受けていることも明らかに。「さらに継続して治療を要するとの診断」を受けたため復帰時期が見えず、1月中旬にチケットの発売が迫っていることや、他の出演俳優の対応なども考慮した結果、延期を決定した。現在、入院しているがリハビリ、治療が順調に進めば、半年後ぐらいには舞台復帰が可能という。

 「中村歌右衛門」の名前は、女形で最も大きな名跡。福助の祖父の弟である6代目が01年に死去して以来、13年ぶりに復活する予定だった。福助は9月に行われた会見で「最初に聞いた時、夢かと思った。身の引き締まる思い」、「恥ずかしくないよう、名に追いつきたい。一般の方は理解しにくいかもしれませんが、(歌右衛門襲名は)取締役のような役職に任命していただいたような思いもある」などと決意を語っていた。

 3、4月の公演内容については、決まり次第発表。襲名興行については、福助の回復の様子を見ながらとなるため、時期については白紙となった。

 ◆中村 福助(なかむら・ふくすけ)本名・中村栄一。1960年10月29日、東京都生まれ。53歳。7代目中村芝翫の長男。67年4月、東京・歌舞伎座「野崎村」の栄三ほかで5代目中村児太郎を名乗り初舞台。92年4月、歌舞伎座「金閣寺」の雪姫、「娘道成寺」の白拍子花子で9代福助を襲名。同年結婚。05年、日本芸術院賞を受賞。趣味は野球観戦(阪神ファン)、ゴルフ。弟は中村橋之助、長男は中村児太郎。屋号は成駒屋。

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