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桜塚やっくん、運転していた 死亡事故現場は「魔のカーブ」

スポーツ報知

 お笑いタレント・桜塚やっくん(37)=本名・斎藤恭央(さいとう・やすお)さん=ら2人が5日に山口県美祢市の中国自動車道で後続車にはねられ死亡した事故で6日、現場が地元でも有名な「魔のカーブ」だったことが分かった。車は道路の傾斜が通常とは逆だったため、中央分離帯に激突した可能性が浮上。斎藤さんの両親はこの日、遺体と悲しみの対面をした。一方、同時代に活躍したお笑いタレントの陣内智則(39)ら多くの芸人が“戦友”の死を悼んだ。

 中央分離帯に残る無数の傷痕。斎藤さんらが事故に遭った現場は、地元でも知られた「魔のカーブ」だった。「あそこでは毎年4、5回は事故が起こっているんですよ。今年はこれで4度目ですかねぇ」。美祢市内のタクシー会社に勤める60代の男性運転手は、表情を曇らせた。

 中国自動車道の下り線。伊佐パーキングエリアを2キロほど過ぎたところで事故は起きた。左右交互に何度も曲がり、丘を登り切った地点で訪れる半径360メートル、下り勾配5%の右カーブ。入り口手前には、右折を表す矢印や「急カーブ注意」、「80キロ厳守」といった、ドライバーに安全運転を促す標識がいくつも並んでいる。当然、制限速度内で走っていれば特に危険は感じない場所だ。

 しかし、運転手は路面自体に問題があると指摘した。「路面が真っ平らか、むしろ外側が低い『逆カント』(逆バンク)になっているのでは、と仲間内で話していた」。高速道路や線路などのカーブでは路面の外側を高くし、傾斜をつけて車体が遠心力で外に飛び出さないように設計されている。現場の道路が通常とは逆に内側が高く、遠心力が緩和されない作りだったとしたら、斎藤さんはカーブで予想以上に外に振られただろう。急ハンドルを切り、車の制御を失い分離帯に激突した可能性がある。

 県警高速道路警察隊によると、事故当時、車を運転していたのは斎藤さん本人だった。同隊は、居眠りや、雨やスピードの出し過ぎによるスリップの有無とともに、斎藤さんがハンドルを切りすぎたことが原因となった可能性もあるとみて、現場の状況を詳しく調べている。

 同隊は「今回の現場はほかに比べ、標識の設置など事故防止の対策は施されていた」。道路が逆バンクかどうかに関しては「把握していない」と話すにとどめ「今回の事故を受け、さらなる対策を早急に検討したい」と話している。

 ◆事故の経緯 5日午後4時50分ごろ、山口・美祢市の「中国自動車道」の下り線で、斎藤さんが運転する、バンドメンバーら5人が乗ったワゴン車が中央分離帯のガードレールに衝突。車は追い越し車線で止まったが、マネジャーの砂守孝多郎さん(55)が車外に出て、携帯電話で警察に通報していた際に後続のトラックにはねられ死亡。そのあと車外から路上に降り後続車を止めようとした斎藤さんも、乗用車にはねられ心肺停止状態に陥った。斎藤さんは美祢市立病院に救急搬送されたが、同日午後6時16分、心臓破裂のため死亡した。残る3人のうち、2人は軽傷を負った。

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