海外競馬

【香港カップ・ステップレース分析】海外競馬通・成田幸穂が前哨戦のG2ジョッキークラブカップを分析

 香港国際競走が12月9日に香港のシャティン競馬場で行われる。小欄ではG1香港カップ(芝2000メートル)に向けたステップレースとして、11月18日のG2ジョッキークラブカップ(シャティン競馬場・芝2000メートル)を取り上げたい。 

 過去5年の香港カップでは、昨年のタイムワープなどジョッキークラブカップ組が3勝を挙げている。5年連続で3着以内の好走馬を出しているだけにチェックしておきたい。

 9頭立てとなった今年は、6番人気の伏兵イーグルウェイ(セン6歳、香・ムーア厩舎)が優勝した。8番ゲートのスタートから、シルヴェスター・デソウサ騎手が気合いをつけながら8番手を追走。タイムワープとグロリアスフォーエバーの快足兄弟が競り合ったこともあり、前半800メートル通過が47秒52というシャティンの2000メートル戦としては破格のハイペースのなか、最終コーナーも後方のまま直線へ。外目から追い上げて、残り200メートルで先行勢をまとめて差し切った。勝ち時計1分59秒30はコースレコード。ラスト400メートルは出走メンバー中最速の23秒36だった。

 1馬身差の2着に2番人気のエグザルタント(セン4歳、香・Aクルーズ厩舎)。内ラチ沿いの7番手あたりを追走し、全くロスがないまま最後の直線も内を突いて伸びた。ラスト400メートルはメンバー中2位の23秒68。3着にはワーザー(セン7歳、香・ムーア厩舎)が入った。なお、勝ったイーグルウェイと2着エグザルタント、7着リヴン、8着パキスタンスターは、同日の香港ヴァーズに向かう。

 香港カップに出走する組では、ゴールドマウントが4着、グロリアスフォーエバーが6着、タイムワープが最下位9着だった。

 ゴールドマウント(セン5歳、香・ギブソン厩舎)は、最後方から勝ち馬を見ながらポジションを上げた。ラスト400メートルはメンバー中3位の23秒88の脚を使ったが、本質的にはスローペースからの瞬発力勝負を身上とする馬だけに、戦術とペースが噛み合わなかった。

 グロリアスフォーエバー(セン4歳、香・ロー厩舎)は、同型のタイムワープに対して楽に逃げさせまいと果敢に競り込んだが、先述のとおり結果的にオーバーペースとなってしまった。それでも3着のワーザーから約0秒8差に踏ん張った点は評価できる。並みの馬なら、もっと大敗していたはずだ。

 タイムワープ(セン5歳、香・Aクルーズ厩舎)は、グロリアスフォーエバーに絡まれたとはいえ負け過ぎの感がある。8着パキスタンスターにも言えることだが、精神面に問題があるのか、自分から走るのをやめているようにも見える。本番へ向けて不安の残る内容だった。

 ◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、南関東版・競馬ブックと研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。ラジオNIKKEIの「香港国際競走実況中継」に出演予定。



最新一覧