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【香港マイル・ステップレース分析】海外競馬通・成田幸穂が前哨戦のG2ジョッキークラブマイルを分析

 香港国際競走が12月9日に香港のシャティン競馬場で行われる。小欄ではG1香港マイル(芝1600メートル)へ向けたステップレースとして、11月18日のG2ジョッキークラブマイル(シャティン競馬場・芝1600メートル)を取り上げたい。

 過去5年の香港マイルでは、前走ジョッキークラブマイル組が3勝している。2016年と昨年は、上位1~4着までを占めており、本番との関連性が非常に高い。

 8頭立てとなった今年は、ビューティージェネレーション(セン6歳、香・ムーア厩舎)が単勝1・5倍の断然人気に応えて優勝した。8番ゲートから好スタートを切り、いつものようにハナか2番手あたりにつけるのかと思いきや、ペースが速いと見たザカリー・パートン騎手がポジションを下げて6番手へ。残り1000メートル過ぎで、今度はビューティージェネレーション自身が我慢できないという感じで早くも進出を開始。最後の直線で2番手から抜け出すと、追えば追うほど伸びて3馬身差の完勝を収めた。勝ち時計1分32秒64は、コースレコード。ラスト400メートルは出走メンバー中3位の23秒51。

 4月のG1チャンピオンズマイルで3着に好走したサザンレジェンド(セン6歳、香・ファウンズ厩舎、4番人気)が2着。前半800メートル通過が46秒51という速い流れに対応して、5番手から追い上げた。ラスト400メートルはメンバー中2位の23秒44。2016年の香港マイルを制したビューティーオンリー(セン7歳、香・Aクルーズ厩舎、3番人気)が差のない3着。後方7番手からメンバー中最速となるラスト400メートル23秒29の脚を使って追い込んだ。

 2番人気のシンガポールスリング(セン5歳、香・ミラード厩舎)は4着まで。1番ゲートから内ラチ沿いの6番手あたりを追走し、ロスなくレースを進めたが、最後の伸びが案外だった。ラスト400メートルはメンバー中5位の23秒87。

 勝ったビューティージェネレーションは重賞4連勝。昨年の香港マイル優勝後、2月のG1クイーンズシルバージュビリーC(芝1400メートル)と4月のG1チャンピオンズマイル(芝1600メートル)を制して、2017/18シーズンの香港年度代表馬と最優秀マイラーに輝いた。

 今シーズンも勢いは衰えず、10月のG3セレブレイションC(芝1400メートル)とG2シャティントロフィー(芝1600メートル)を連勝。ともにハンデキャップ戦で、ビューティージェネレーションは60キロのトップハンデを背負っていたが、難なく克服してみせた。地力の高さは疑いようがない。

 敢えて課題を挙げれば気性面か。今回のジョッキークラブマイルでは「追えば追うほど伸びて」と先述したが、その一方で、追えば追うほど外ラチ沿いに向かって斜行していく妙なクセも見せた。パートン騎手が左ステッキを入れて矯正を図ったが、まるで意に介さなかった点は少し気になる。それでいてレコード勝ちだから恐れ入るが、気難しい面をのぞかせていることは確かだ。能力的には抜けているだけに、まともな精神状態なら本番も勝ち負け必至だろう。

 ◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、南関東版・競馬ブックと研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。ラジオNIKKEIの「香港国際競走実況中継」に出演予定。



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