大栄翔2敗キープで単独トップ! 自身初Vも埼玉勢初Vも王手! V率95%

大栄翔(右)は叩き込みで玉鷲を下す 

◆大相撲初場所14日目 〇大栄翔(はたき込み)玉鷲●(23日、東京・両国国技館)

 西前頭筆頭・大栄翔(27)=追手風=が初優勝と埼玉県出身力士初Vに王手をかけた。同4枚目・玉鷲(36)=片男波=をはたき込んで2敗を守り、自己新の12勝目を挙げた。トップを並走していた大関・正代(29)=時津風=は、関脇・照ノ富士(29)=伊勢ケ浜=にはたき込まれて痛恨の3敗目を喫して後退。優勝争いは大栄翔と正代の2人に絞られ、大栄翔が千秋楽に勝った時点で初賜杯が決まる。

 ついに大栄翔が初賜杯を視界に入れた。過去6勝8敗の難敵・玉鷲に頭でぶちかますと、強烈なもろ手突きから二の矢、三の矢を見舞い、土俵際に突き放した。「立ち合いが勝負だと思っていた。余裕はなかったけど、体が動いてよかった」。やや呼び込む形となったが、左足一本で残し、巧みにはたき込み、自身最多12勝目。「勝ち星が積み上げられたのは素直にうれしい。気を抜かずに思い切り行きたい」とうなずいた。

 同じく2敗だった正代が敗れ、10日目以来の単独トップに立った。15日制が定着した1949年夏場所以降、平幕が単独首位で千秋楽を迎えるのは22例目。V逸は2004年夏場所の北勝力のみで、データ上のV確率(千秋楽前の決定を含む)は約95%だ。八角理事長(元横綱・北勝海)は「躍動感があり、勝負勘がよかった。初めての優勝は難しい。『勝てば優勝』(の一番)はいろいろと考えるもの」と後押しした。

 自身も相性の良さを感じる吉日だった。コロナ禍でなければ、14日目の国技館には家族が応援に来るのが恒例だった。以前は中日だったというが「勝ち越し前で見る方も重圧がかかる。落ち着いて見られるように」(関係者)という理由で19年からはこの日に。“家族の日”となった14日目は9勝2敗で、日別で最高の勝率82%(今場所前時点)。母子家庭で育ち、人一倍家族思いの27歳は、今回は値千金の白星を画面を通して実家に届けた。

 5年連続で初V力士が誕生する初場所の優勝争い。雌雄を決する千秋楽は平幕・隠岐の海(35)=八角=戦が組まれた。優勝制度ができた1909年以降のV力士の空白地域は12府県。大栄翔は「もう本当に最後なので、何番取ろうが思い切り自分の相撲を取ることが一番」と気合十分。埼玉出身初の賜杯へ、自身の最大の武器を信じて突き進む。(竹内 夏紀)

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