永瀬拓矢王座が渡辺明王将への挑戦権を獲得 睡眠時間確保を進言した18歳に感謝「藤井2冠の言葉は重い」

感想戦終了後、取材に応じる永瀬拓矢王座

 将棋の永瀬拓矢王座(28)が30日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた第70期王将戦挑戦者決定プレーオフで豊島将之竜王(30)=叡王=に後手の128手で勝ち、初の王将挑戦権を獲得した。来年1月10日に開幕する7番勝負で渡辺明王将(36)=名人、棋王=に挑む。

 局後の取材でのやり取りは以下の通り。

 ―今日は(おやつに)バナナを4本食べていたようですけど、いつもは3本のような…。

 「最多は…もっとあります。意外と冬場も体重が落ちて免疫力が下がるので、体重を落とさないために。早めに栄養を取って(終盤戦に)備えました」

 ―渡辺王将は、やはり作戦家の印象?

 「1年以上当たっていないので(棋譜などを)調べたら印象は変わるかもしれないですけど、棋士になってからずっと印象は変わらず、棋界ナンバーワンと言っても過言ではない作戦家だと思います。名人戦での後手番の作戦の考え方もすごいなと思いました」

 ―将棋の質としては。

 「攻め将棋ですけど、地力が高いので受けも苦にしない方。バランスがすごくいい印象があります。何でもうまくそつなく指されている」

 ―過去に(2015年の)竜王戦挑決3番勝負、(2018年の)棋王戦5番勝負で渡辺王将との番勝負を経験しているが、いずれもあと1勝を逃している。

 「あの時は棋力に差があったので、あと1勝まで迫れたのは運が良かったです。さすがに今は棋力が少しは上がっていると思うので…。前とは差を縮められているとは思います」

 ―当時と比べてどのくらい強くなってる?

 「100番やったら60番取る(勝つ)自信はあります。あれ? でも2年前か…意外と最近ですね。58番くらいにしておきます(笑)。さすがに勝ち越すべきかな、とは思いますけど」

 ―2日制のタイトル戦は初めて。

 「出られるのはうれしく思います。2日制は1日制とは全く違うと思うので、肌で感じて分かるところもあると思います。でも2日制は見ている側としても有意義なので、対局者として迎えられるのはうれしいです。経験がないので手探りになっていくのかなとは思いますけど」

 ―2004年に渡辺王将が20歳で竜王になったのをテレビを見て衝撃を受けたとか。

 「森内(俊之)先生に挑戦した7局目で、横歩取り△8五飛戦法で▲6八玉型の将棋だったことを覚えています。若い渡辺先生が第一人者の森内先生を相手に堂々と戦い、堂々と勝ったのは鮮烈な記憶として残っています」

 ―今は同じタイトルホルダーになった。

 「いかんせん番勝負の経験値が大差なので、やってみて(差を)感じるところもあると思います。ただ、勝負(接戦)にはしたいです」

 ―奪取となれば、渡辺王将、豊島竜王、藤井聡太2冠とタイトル数で並ぶ。

 「挑戦することで戦うステージには上がれましたので、勝ちに結びつけなきゃ、とは思いますが、2日制の7番勝負は初めてなので…。分からないところが多いので対応していかないと、と思います」

 ―研究会が多いことで知られますが、コロナ禍の今は。

 「勉強熱心な方がいるので、時間を作って教えていただくことはあります。でも、2日制のタイトル戦は1局が4日間なので(時間がなく)回数は減ると思いますけど、やりくりできたらいいなと思います」

 ―王座防衛の際、藤井2冠から「ちゃんと睡眠時間を取って下さい」的な助言されたことが生かされたと語っていましたけど、今も睡眠時間は確保してるんですか?

 「(勝てば挑戦権獲得だった王将リーグ最終戦の)広瀬さん(章人八段)に負けてつらかったのですが、寝ました(笑)。藤井2冠の言葉は重い。つらいことがあっても定時に寝るようにしています(笑)」

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