永瀬拓矢王座が渡辺明王将への挑戦権獲得 プレーオフで豊島将之竜王を破る「挑戦は久しぶり」

王将戦挑戦者決定プレーオフに臨む豊島将之竜王(左)と永瀬拓矢王座(日本将棋連盟提供)

 将棋の永瀬拓矢王座(28)が30日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた第70期王将戦挑戦者決定プレーオフで豊島将之竜王(30)=叡王=に後手の128手で勝ち、初の王将挑戦権を獲得した。来年1月10日に開幕する7番勝負で渡辺明王将(36)=名人、棋王=に挑む。

 今年に入って14局も対戦している宿敵同士による決戦の軍配は「軍曹」に上がった。渡辺王将に挑むことになった永瀬は「挑戦するのは久しぶり(昨年の王座戦以来1年ぶり)なので、結果が出て良かったです」と抱負。両者とも各棋戦で活躍しながらも約1年半、不思議と対戦のない王将の印象を「番勝負は(より作戦を)練って来られる印象があります」と述べた。

 今期は棋聖戦挑戦者決定戦、王位戦挑戦者決定戦でいずれも藤井聡太2冠(18)=王位、棋聖=に敗れていただけに「3度目の正直」となり「挑戦権をつかむことができてよかったと思います」と喜びを語った。

 永瀬は今年6~9月の叡王戦7番勝負で豊島を挑戦者に迎えたが、3勝4敗2持将棋1千日手の大激闘の末に防衛に失敗していた。今月22日の一般棋戦「日本シリーズJT杯プロ公式戦」決勝でも激突し、敗れていただけに大一番で雪辱を果たした。

 相居飛車の戦いを居玉のまま序中盤を進めた永瀬は、薄い玉形ながら果敢に先手陣を攻め立て、優勢を保ったまま勝ち切った。

 ◆永瀬 拓矢(ながせ・たくや)1992年9月5日、横浜市生まれ。28歳。安恵照剛八段門下。2004年、棋士養成機関「奨励会」入会。09年、17歳で四段(棋士)昇段。19年、初タイトルの叡王から王座を連続奪取。20年、叡王を失ったが、王座を防衛。絶対に最後まで諦めないタフネスと努力を信条とするストイシズムから「軍曹」の異名がある。藤井聡太2冠と定期的に練習対局を重ねる研究パートナーとしても知られる。

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