【中日】吉見一起が今季限りで現役引退 最多勝2度の精密機械がプロ15年に終止符

吉見一起

 中日・吉見一起投手(36)が今季限りで現役引退を決断したことが1日、分かった。落合政権時代には最多勝2度、最優秀防御率を1度獲得するなど、絶対エースとして君臨。精密機械のような制球力を誇った技巧派右腕が、15年のプロ生活に終止符を打つ。

 昨季5試合の登板でわずか1試合に終わった吉見は、今季を「勝負の年」と位置づけ、キャンプから調整を進めてきた。コロナ禍で開幕が遅れる中、練習試合などでアピールを続け、開幕ローテ入り。6月27日の広島戦(ナゴヤD)では5回1失点で白星をマーク。だが、その後は結果を残せず、4試合の登板で1勝2敗、防御率5・71に終わった。

 2軍では先発ローテを守り、12試合で5勝3敗、防御率2・77と安定した数字を残してきた。ただ、将来有望な若手が台頭する中で、自らがファームで登板を重ねることに葛藤もあったようだ。「今の若手は優勝争いしていた時代を知らない。しびれるような戦いをみんなに経験して欲しい」と話してきたように、球団の再建を誰よりも願うからこそ静かに身を引いた。

 吉見は緻密なコントロールを武器にプロ3年目の09年から1軍に定着し、初の10勝をマーク。09年には最多勝、リーグを2連覇した11年には最多勝と最優秀防御率に輝いた。5年連続2ケタ勝利と獅子奮迅の働きを見せる一方で、13年には右肘内側側副靭帯の再建手術を行うなど、故障とも闘ってきた。登板前には注射を打って臨むなど、強い覚悟でマウンドに立ってきた。

 球団は6日のヤクルト戦(ナゴヤD)で引退セレモニーを行う予定で、この日が現役ラストマウンドとなる。今後は未定だが、ユニホームを脱ぎ、見聞を広める予定だ。リーグ最強を誇った投手陣を支えてきた看板右腕が、ドラゴンズブルーに別れを告げる。

 ◆吉見 一起(よしみ・かずき)京都・福知山市生まれ。36歳。小学2年で野球を始め、金光大阪高3年時の2002年春に甲子園出場。トヨタ自動車を経て、05年のドラフト希望枠で入団。3年目の08年に初の10勝をマークし、09年に最多勝、11年に最多勝、最優秀防御率を獲得。開幕投手3度。プロ通算222試合に登板し、90勝56敗、防御率2・94。182センチ、90キロ。右投右打。

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