【巨人】岸田行倫、ファンも大笑いのプロ1号「サイレント・トリートメント」ショー

6回無死、プロ初本塁打を放った岸田

◆JERAセ・リーグ 巨人6―4ヤクルト(31日・東京ドーム)

 軸足にどっしり体重を乗せ、岸田は力の限りバットを振り抜いた。2点リードの6回先頭。2ストライクと追い込まれながらも、長谷川の148キロ直球を左中間席中段へ運んだ。プロ3年目の初アーチに、「正直あんまり覚えてないんですけど、感触は最高に気持ちよかったです!」。右拳を強く握り、天にも昇るような気持ちでベンチに戻った。

 首脳陣からは祝福を受けたが、選手はみんなベンチに座ったまま。誰も喜んでない。誰も祝ってくれない。“まさか”の事態に、天を見上げ落胆した。約10秒の沈黙の末、坂本の前まで歩を進めると一斉にもみくちゃにされた。メジャー流の祝福儀式「サイレント・トリートメント」だった。

ナインとタッチを交わそうとベンチ前へ戻るも

 その様子がビジョンに映されており、球場も笑いに包まれた。「うれしすぎて(チームメートが)座ってるのは予想してなかった。『お祝いしてくれへんなあ』って思ってたら、お祝いしてくれたんでうれしかったです」。原監督も「今の人たちは上手ですね、何でも。何しているんだろうと思いました。僕は『嫌われている人間なのかな』と思いましたけど」と笑った。

誰も出迎えない「サイレント・トリートメント」の洗礼を受ける

 試合前の円陣では、時に「最強メガネ」や「必勝はちまき」などの小道具を駆使し、笑いを誘うムードメーカー。途中出場ながら8回先頭でも内野安打を放ちマルチ安打をマークした。“岸田劇場”は試合後も続いた。

 アナウンサー「見事なプロ初ホームランでした! 以上、本日のヒーローインタビューでした」

 岸田「おいおいおい、えっ!? ちょっとだけしゃべらせてくださいよ」

 球団関係者から「ヒーローインタビューもサイレント・トリートメントで」という要望が出ており、球場は再び爆笑に包まれた。最後は「もっと試合に出てチームに貢献して、鼻息プンプンでいきたいと思います!」と、お決まりのフレーズで締めた。巨人の元気印が、最高の結果でチームを勢いづけた。(河原崎 功治)

直後、坂本が立ち上がったのを合図に

 ◆岸田 行倫(きしだ・ゆきのり)1996年10月10日、兵庫県生まれ。24歳。報徳学園高では2、3年時にセンバツ出場。大阪ガスでは1年目から正捕手を務めた。2017年ドラフト2位で巨人に入団。176センチ、80キロ。右投右打。今季年俸1100万円。

ナインから祝福され笑顔を見せた

 ◆サイレント・トリートメントとは 本塁打を放った際、本来は他のナインがベンチ前で出迎えハイタッチなどで祝福するが、あえてベンチに座ったまま無関心を装う。メジャーでは初アーチを祝福する儀式で、エンゼルス・大谷がメジャー初本塁打を放った際、エンゼルスナインが行い日本でも話題になった。巨人では過去に大城がプロ1号を放った際にも行われた。

6回無死、プロ初本塁打を放ちサイレントトリートメントで迎えられた岸田行倫(手前)を笑顔で見つめる原辰徳監督(後方中央)(カメラ・中島 傑)

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