【埼玉】細田学園 創部7年目の初Vならず

90キロ台のスローボールで力投した細田学園・飯吉

◆高校野球秋季埼玉県大会 ▽決勝 昌平6―5細田学園(30日・県営大宮)

 創部7年目で初の決勝進出を果たした細田学園が、5―6で昌平に惜敗し優勝を逃した。

 「キリング!」の大声が細田学園ベンチから飛んだ。準々決勝でV候補の花咲徳栄を破り、「ジャイアントキリング」を果たした勢いそのままに初の決勝進出。この日も格上とみられていた昌平にしぶとく食らいつき、「またも」の雰囲気を作り上げた。花咲徳栄戦で8回を4安打、2点に抑えた背番号18の飯吉陽来(はるく、2年)が力投した。2点を失った2回途中から登板。最速115キロという170センチ、65キロの右腕は90キロ台のカーブを軸に、時には60キロ台のキャッチボールのような超遅球で相手打線のタイミングを崩した。打線も取られたら取り返した。外野の頭を越えるような長打はないものの、好機では単打をつなげて得点。2点を追う8回には瀬戸尾侑宏(2年)の2点適時打で1点差に追い上げたが及ばず。昌平の13安打に対し、11安打と少しもひけを取らなかった。丸山桂之介監督(68)は「ああいうゲームになってホッとしています」と穏やかな笑みを浮かべて粘りをみせた選手をたたえた。

 私学といっても浦和学院、花咲徳栄、春日部共栄といった県内の強豪とは趣を異にする。前身は女子校で野球部は14年4月に創部されると所沢から明大に進み、富士見、大井といった県内公立校を指導していた丸山監督が就任。16年秋、初めて地区予選を勝ち抜いて県大会に出場した。学校のある志木市に専用球場こそ持つが、一般受験で入学してきた選手がほとんど。硬式野球経験者も多いが、和光シニア出身で「初戦敗退ばかりでした」という飯吉のような無印ばかりだが、丸山監督が守備と足を使った攻撃ができるチームに育て上げ、少しずつ力をつけてきた。

 新チーム結成直後、丸山監督は「関東(大会)に行こうか。(県で)一番にならなくても行けるし、甲子園は(関東大会の)準決勝で行けるよ」と選手に声をかけたという。その言葉通り、県準優勝で関東大会へ。「現実になるとは考えていなかった。すごくビックリ」と丸山監督は目を丸くしたが、選手はその気になっている。「ベスト4には行きたい」と主将の吉野壮真(2年)は言葉に力を込めた。「まだまだのところがたくさんあるので、あと1か月、修正して強化したい」と丸山監督。関東大会での「ジャイアントキリング」は、そのまま初の甲子園につながっていく。(『報知高校野球』取材班)

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