政府が自殺防止相談窓口の活用呼びかけ 竹内結子さんら著名人急逝相次ぎ 「コロナうつ」と関連の可能性も…7~8月で自殺者急増

竹内結子さん

 加藤勝信官房長官は28日の記者会見で、著名人の自殺とみられる事例が相次ぎ、7月以降、自殺者数に増加の兆しがあるとして、政府が自殺防止のために設置している相談窓口の活用を呼びかけた。新型コロナウイルスの感染拡大による「コロナうつ」との関連については「そのような指摘もある」と言及。心療内科・神経科「赤坂クリニック」(東京・港区)の坂元薫院長は、コロナうつを診断するチェックリストを作成し、早めのカウンセリングなどを呼びかけている。

 女優の竹内結子さん(享年40)ら、自殺とみられる著名人の死が相次ぐ中、政府は自殺者の増加に危機感を募らせている。

 厚生労働相時代にも自殺防止に取り組んでいた加藤氏は会見で「悩みのある人が孤立しないように、(周囲が)温かく見守る社会を一緒に構築してほしい」と訴えた。同時に「多くの方が自ら命を絶っている現実をしっかりと受け止めないといけない」とも話した。

 警察庁によると、国内の自殺者は2009年(3万2845人)から昨年(2万169人)まで10年連続で減少している。今年に入っても6月までは前年を下回っていたが、7月に前年同月比25人増に転じると、8月は251人増と大幅に上昇。特に女性の増加が目立つ。

 7月は、新型コロナ感染の第2波が全国に広がり始めた時期。ストレスを発散できない期間が長引くことなどを理由に「コロナうつ」とも呼べる状態になった人もいる。加藤氏は、コロナうつについて「活動自粛などでステイホームとなると、他の人と接触しにくいことがあり、さまざまなうつの状態になりがちという指摘もある」と言及。その上で、SNSも含めた政府による相談窓口の周知と、その活用について強調した。

 そんな中、坂元院長が提唱するのが、テレビ番組などでも紹介された「コロナうつのチェック項目」だ。「何に対しても興味が持てない」「3密に対して、あまりに過敏になりすぎる」など10項目を挙げ、新型コロナの感染拡大以降、当てはまる項目が3つ以上ある場合は、コロナうつの可能性があるとした。

 同時に対処法も提示した。常にニュースをチェックするのではなく自分のルールで制限すること、電話やSNSを利用したコミュニケーション、最善策を取った後は運を天に任せるくらいの受け入れ能力(ネガティブ・ケイパビリティー)を持つことを推奨している。また思い出の写真や映画を見ることで脳がリフレッシュするほか、感謝できることを数えると幸福度が上がり、精神が安定するとしている。

 ◆厚労省ホームページでも紹介

 有名人の死は社会への影響が大きい。今年春以降、会員制交流サイト(SNS)による誹謗(ひぼう)中傷の後に死去したプロレスラー・木村花さんや、俳優の三浦春馬さん、芦名星さん、藤木孝さんの例があり、厚労省は公式ホームページで電話窓口を紹介し「あなたが悩みを抱えていたら、その悩みを相談してみませんか」と呼びかける。

 ◆厚労省が紹介している主な悩み相談窓口

 ▼いのちの電話 TEL0570・783・556(午前10時~午後10時)、TEL0120・783・556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)

 ▼こころの健康相談統一ダイヤル TEL0570・064・556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)

 ▼よりそいホットライン TEL0120・279・338(24時間対応)、岩手・宮城・福島各県からはTEL0120・279・226(24時間対応)

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