女子エペは2児のママ・佐藤が史上最多6度目V「子供の前で負ける姿は見せられない」…フェンシング全日本選手権

◆フェンシング全日本選手権決勝(26日・ニューピアホール=無観客)

 男女全6種目の決勝が無観客で行われ、女子エペは2児の母である佐藤希望(34)=大垣共立銀行=が、18歳の寺山珠樹=日大1年=を14―9で破り、同種目で史上最多となる6度目の優勝。男子は「現役引退試合」と決めて挑んだ坂本圭右(36)=自衛隊=が、昨年3月のW杯団体優勝メンバーの宇山賢(28)=三菱電機=を15―13で下し、6年ぶり4度目の日本一に輝き、有終の美を飾った。

 2児の母である佐藤は18歳の新星をはねのけた。長身173センチのリーチを生かした攻撃で序盤から主導権を握ると、中盤は10―7からは寺山の意地の3連続ポイントを喫したが、そこからは1点も与えることなく、4連続でポイントを重ねて勝利。「史上最多というところは狙っていた。かなってうれしいです」と満面の笑みを見せた。

 新型コロナ感染対策で選手とコーチ1人、審判、大会運営スタッフ以外は来場できなかった。そのため、佐藤の長男・匠くん(7)は自宅のある福井から駆けつけたが、隣接する建物からモニターを通してエールを送った。佐藤は愛息が作ったお守りをドリンクフォルダーにつけて決勝に挑み、見事勝利をつかんだ。試合後、モニターを通して匠くんとエアーハイタッチを交わし「子どもの前で負ける姿は見せられないので『何が何でも』と思っていた。匠が『ママの試合すっごい久しぶり~』と言っていたので、久々に見せるからには優勝しなきゃという気持ちになった。(家族に)『いつも支えてくれてありがとう』と言いたいです」と感謝の言葉を述べた。

 コロナ禍で今年3月に国際大会は中断。今後の試合も依然として決まっておらず、調整に頭を抱える選手も多い。それでも「試合がないので難しくはなるけど、試合形式の練習で新しい技を試したり、国際大会が再開したら、またそこに合わせてやっていきます」と冷静に見据えた。3歳と7歳の男児を持つママさんフェンサーは「集大成」と位置づける3大会連続の五輪出場を目指して走り続ける。

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