元世界王者・久保隼、1年4か月ぶり再起戦は3―0判定勝ち 女子世界戦は岩川美花がV1

1年4か月ぶりの再起戦に臨み、判定勝ちをおさめた元世界王者の久保隼(右)

 ◆プロボクシング 58・0キロ契約8回戦 〇久保隼(判定)五十嵐嵩視●(26日、神戸市立中央体育館)

 元WBA世界スーパーバンタム級王者・久保隼(30)=真正=が1年4か月ぶりの再起戦で、元東洋太平洋同級ランカーの五十嵐嵩視(たかし、24)=トコナメ=に3―0の判定勝ちをおさめた。世界2階級制覇へ白星で再スタート。通算成績は久保が14勝(9KO)2敗、五十嵐が13勝(5KO)5敗。

 サウスポーの久保は長いリーチを生かし、初回から的確に右ジャブ、左ボディーブローをヒットさせ、主導権を掌握。4回には五十嵐のガードの合間から左ストレートをヒットさせ、ホーム神戸の会場を沸かせた。KOこそ逃したが、ジャッジ3者は79―73、79―73、78―74で久保を支持。実力差を見せた元世界王者は試合後のリングで「求められている内容には、はるかに及ばない」と悔し涙。試合後の会見では「調整は今までで一番うまくいった。練習してきた左ストレートをもっと当てたかったが、相手も僕の左を警戒しますよね。武器を増やさないと」と笑顔を取り戻した。

 久保は昨年、3月に眼筋まひの手術を経て、5月に敵地でWBA世界フェザー級王者・徐燦(中国)に挑んだが、6回TKO負け。現役を引退するつもりで10月、「全く違う世界で働く」と神戸市内の介護施設で勤務し始めた。その施設で同僚から「元世界チャンピオンの久保さんですよね。一緒に働けてありがたい」とリスペクトされ、自宅にある世界王座のベルトを見た時、再起へ意欲が沸いた。

 12月から練習を再開。世界王者に導いてくれたセコンドの真正ジム・山下正人会長(58)のもとで、この日のリングに立った。山下会長は「負けたら後がなかった。久保らしさが出た試合だった」と、まな弟子をたたえた。

 今後について久保は「世界2階級制覇を言う前に、国内の強い選手と戦いたい。納得してボクシング人生を終わりたい」。現在の国内フェザー級戦線は東洋太平洋王者・清水聡(34)=大橋=、WBOアジアパシフィック王者・森武蔵(20)=薬師寺=、日本王者・佐川遼(26)=三迫=ら群雄割拠。久保陣営は今後どの選手に対戦オファーを出すのか明言しなかったが、次戦以降で好カードが組まれる可能性はある。

 また、セミファイナルのWBO女子世界アトム級タイトルマッチ10回戦は王者・岩川美花(37)=高砂=が判定2―1で挑戦者・鈴木菜々江(28)=シュウ=を振り切り、初防衛に成功した。

 ◆久保隼(くぼ・しゅん)1990年4月8日、京都市生まれ。30歳。元アマボクサーの父・憲次郎さんの影響で中学2年からボクシングを始める。右利きだが南京都高で左構えに転向。3年時は主将でインターハイ準優勝。東洋大3年時に退部し、一時はボクシングから離れるも真正ジムで競技を再開。2013年5月、プロデビュー。15年12月、東洋太平洋スーパーバンタム級王座獲得(防衛2)。17年4月、世界初挑戦で王者・セルメニョ(ベネズエラ)を11回TKOに下し、WBA世界スーパーバンタム級王座奪取(防衛0)。身長175センチ(リーチ180センチ)。左ボクサーファイター。

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