八村塁のルーキーシーズンはA評価…佐々木クリス氏がNBAレベルと確信した2つのプレー

ウィザーズの八村塁(ロイター)

 集中開催地のフロリダ州オーランド近郊でリーグ戦が行われた。ウィザーズの八村塁(22)は今季最終戦を右太もも痛で欠場したが、チームはセルティックスに96―90で勝利。8試合目で再開後初の白星を挙げ、シーズンを締めくくった。ルーキーシーズンを終えた八村について、本紙評論家の佐々木クリス氏が総括。チームの中心選手として躍動した1年目を振り返り、来季のさらなる活躍に期待を込めた。

 八村選手のNBA1年目が終了した。日本人初のドラフト1巡目指名で入団し、股関節負傷での離脱、コロナ禍の中断もあったが、想像以上のパフォーマンスを発揮してくれた。総括して5段階評価ではSに次ぐAをつけたい。

 パワーフォワード(PF)としてNBAレベルであると確信できたプレーが2つある。1つ目はディフェンスリバウンドを奪って、自らボールを運び、フィニッシュまで持っていく、またアシストすること。ポジションレスな時代におけるPFとして、局面でボールを扱うことができていた。

 2つ目は、司令塔・ビール選手との合わせのプレー。NBAでもトップクラスのゲームメーカーからボールを受け、シュートを決め切るプレーを得意とし、ゴール近辺のシュート決定力は、リーグ平均の63・5%に対し、中断前までの八村選手は66・2%と上回った。NBAレベルのプレーを証明し、このまま成長を続ければ、9年、10年とNBAのコートに立ち続ける可能性を秘めた選手であることは間違いない。

 来季はビール選手とウォール選手という二枚看板が戻り、POで上位を目指すチームになる。16年のドラフトの例でいえば、指名された選手の4分の1は指名チームとの4年目の契約に至っていない。NBAは2、3年目がよりシビアになり、八村選手自身にとっても新しい戦いが待っている。課題はまず、3点シュート。今季は打つことをためらうシーンが多く、1試合平均では1・8本放ち、成功率28・7%だった。PFであれば3~4本放ち、まずは成功率33%が目標となるだろう。ディフェンス面でも、状況判断、ポジショニング、集中力、緊迫感を研ぎ澄ませる必要がある。チーム全体の伸びしろもディフェンスにあり、POレベルの守備が構築できれば、さらなる成長につながっていく。(元プロバスケットボール選手、アナリスト)

 ◆八村のルーキーシーズン

 ▽19年6月20日 日本人初となるドラフト1巡目全体9位で指名を受け、ウィザーズに入団

 ▽10月23日 開幕戦に先発出場で田臥勇太、渡辺雄太に続き日本人3人目のNBAデビュー

 ▽12月1日 クリッパーズ戦でキャリアハイの30得点

 ▽12月14日 グリズリーズ戦で、渡辺との日本人対決が実現

 ▽12月16日 ピストンズ戦の前半終了間際に鼠径部を負傷

 ▽20年2月3日 ウォリアーズ戦で24試合ぶりの復帰

 ▽3月12日 新型コロナウイルスでシーズン中断

 ▽7月30日 集中開催地のディズニー・ワールド・リゾートにてシーズン再開

 ▽8月13日 シーズン最終戦は欠場

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