震えた指先 100期目指す羽生善治九段が竜王挑戦者決定3番勝負に進出「次もすぐにある」

タイトル通算100期を目指している羽生善治九段

 将棋の羽生善治九段(49)が13日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた第33期竜王戦決勝トーナメント準決勝・梶浦宏孝六段(25)戦に後手の102手で勝ち、豊島将之竜王(30)=名人=への挑戦権を懸けて丸山忠久九段(49)との挑戦者決定3番勝負に臨むことになった。

 タイトル通算100期への情熱、第一人者としてのプライドが盤上に現れた勝局だった。決勝トーナメント1回戦から高野智史五段、石井健太郎六段、木村一基王位、佐藤康光九段を連破する快進撃を続けて来た梶浦六段との大一番は、近年では採用数の少ない「横歩取り」に。序盤から飛車角が乱舞する華々しい展開になると、羽生九段は一気に飛車を切る踏み込みで相手陣を攻略した。

 後手優勢となったが、梶浦六段も粘る。羽生九段は一手間違えれば必敗になる薄氷の終盤を冷静な読みで乗り越え、大きな1勝を手にした。最終盤では、着手の際に指先が震えるシーンが何度もあった。極限の重圧の中で勝利を確信した際に起きる現象に、本局への思いが見て取れた。

 局後は「ずっといい勝負でよく分からない展開が続いていた。ギリギリの勝負かなと思って指していました。(梶浦六段は)そうそうたるメンバーを破ってこられたので、今日も鋭く攻められ、大変な感じになると思っていました」と振り返った。

 羽生九段は現在、タイトル獲得通算99期(史上最多)としており、前人未到の100期の大台が迫っている。1989年に19歳で初タイトルを獲得して以来、7冠独占、永世7冠など数々の偉業を成し遂げてきたが、2018年の竜王失冠により27年ぶりの無冠に転落して以降、タイトル戦の舞台から遠ざかっている。再びの晴れ舞台を待ち望むファンは多い。

 17日から始まる挑戦者決定3番勝負で戦う丸山九段は同学年。決勝トーナメントで藤井聡太棋聖、佐藤和俊七段、久保利明九段を破って絶好調の実力者との目の離せない決戦となる。

 3番勝負に向け、羽生九段は「次もすぐあるので、コンディションを整えて臨めたら。(丸山九段とは)最近は対戦がなかったので、どんな感じになるのか、対戦してみないと分からないですね」と淡々と抱負を述べていた。

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