【巨人】坂本勇人 原辰徳監督の無言の喝に燃えた! 1番「エンジョイ」2発!

2回2死二塁、坂本が左越えに8号2ランを放つ(カメラ・相川 和寛)

◆JERAセ・リーグ 巨人8―1ヤクルト(12日・東京ドーム)

 坂本がトンネルを抜け、巨人の連敗を3(1分け含む)で止めた。今季初めて1番に起用された坂本は2回、吉川尚の2点打で逆転した後、20打席ぶりの安打となる8号2ランを左翼席にたたき込んだ。6回にも9号ソロを放ち、今季初の1試合2発を含む3安打で通算2000安打まであと80本。菅野はヤクルト打線を7回1失点に封じ、自身初の開幕7連勝を飾った。

 誰もが待っていた。ナインが、スタンドのファンが沸いた。表情を変えずにダイヤモンドを回っていた坂本も、ベンチに戻ると笑みがこぼれた。「まずは一本出てよかった」。2回に逆転し、なおも2死二塁。原のスライダーを思い切り振り抜き左翼席へ8号2ラン。実に20打席ぶりとなる安打だった。

 指揮官からの無言の喝に燃えた。シーズン中盤を迎えた中でバットが湿り、打率2割台前半と低迷。それに引きずられるようにチームの勢いも失われ、原監督は打線の組み替えを決断した。ここ最近の戦いで攻撃の弱点となっていた1番に入った。「こういう状況でも1番を任されたのは『なんとかしてくれ』というね。そういうふうに感じて、僕は。結果を残したいと思って」

坂本の8月の打撃成績

 責任感が強いだけに、最初はさすがに力んだ。初回先頭では、ショートバウンドする変化球に空振り三振。続く2回は打席に入る直前、肩の力を抜くように大きく深呼吸し、豪快な一発をたたき込んだ。6回には中尾の変化球を左腕一本で左翼席上段へ放り込み、昨年9月20日のDeNA戦(横浜)以来となる1試合2発。「いい意味で、力が抜けてスイングできました」。7回には中前に打ち返して通算155度目の猛打賞とし、セ・リーグ歴代単独8位に浮上した。

6回無死、この試合2本目となる左越え9号ソロを放つ

 この日の試合前練習では石井野手総合コーチから、打ち終わりで右肩が下がったままだと指摘され、フィニッシュの形を意識するよう助言をもらった。昨季の岡本を復活へ導いたOBのクロマティ氏(球団アドバイザー)からは、バットでボールを切るイメージをたたき込まれた。今や球界最高峰の打者となったが「自分ひとりの世界でやっていても進歩がない」が信条。不振からの突破口を探りつつ、新たな引き出しも増やそうとしている。

 プレーボール前の円陣で中心に立ち「エンジョイ・ベースボールで頑張っていきましょう!」とナインに呼びかけつつ、自分自身にも言い聞かせた。試合後には「いいきっかけがつかめたと思っても、それが継続できない。(開幕から)ずっとしっくりきていない。今年はそういう中で、なんとか結果を残さないといけない。3本出たけど、そういう心境ですね」と悩める胸中を明かしたが、光は差してきた。野球を楽しむような、いつものあの表情は戻りつつある。(尾形 圭亮)

巨人の9日と12日のスタメン

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