【鳥栖】計10人がコロナ陽性、Jで初のクラスター発生…25日まで活動休止 今後どうなる

鳥栖・金明輝監督

 Jリーグは12日、鳥栖で新型コロナウイルスの陽性判定者が複数出たことを受け、同日午後7時から予定されていたルヴァン杯1次リーグの広島―鳥栖戦(Eスタ)の中止を発表した。10日にPCR検査の陽性判定を受けた金明輝監督(39)に続き、この日、選手6人を含む9人の陽性者が判明。計10人となり、Jクラブ初のクラスター(感染者集団)が発生した鳥栖は今後、リーグ戦の消化などにも影響が避けられない事態になった。

 チーム内での感染拡大という衝撃的な事態により、当日の試合中止が決まった。鳥栖は金監督の陽性判定を受け、11日にクラブ関係者89人にPCR検査を実施し、この日選手6人、スタッフ3人の陽性が判明した。監督を含めて10人の感染が確認され、Jクラブで初のクラスターとなった。

 検査結果の判明後に移動し、アウェーの広島戦に臨む予定だったが、試合は中止に。オンラインで会見した鳥栖・竹原稔社長(59)は、「複数の感染者が出たことは非常に残念。鳥栖として安全に開催できる担保ができないということで開催を断念した」と陳謝した。

 チーム内で初の感染者となった金監督は8日昼に体調に違和感があったが、発熱がなかったことから夜の鹿島戦を指揮。9日のクラブハウス内での首脳陣ミーティングでは、マスクを外して会話する場面もあったという。夜には38度の発熱。しかし、10日朝に平熱に戻ったことで練習に参加した。その後、倦怠(けんたい)感を訴え、スタッフから熱中症を念頭に病院で点滴を打つよう助言され、念のために受けたPCR検査で感染が発覚した。

 この日、陽性が判明した9人中8人が鹿島戦に帯同。また7人は発熱などの自覚症状はなく、クラブ内での感染拡大の経緯は不明だ。今後は保健所などが感染経路を調査していく。

 Jリーグは現在、新型コロナのガイドラインで37・5度以上の熱が2日以上あった場合などは、自主隔離とともにリーグへの報告を義務づけている。対策を講じてきた中で起こった今回の事例に、Jリーグの村井満チェアマン(61)は、「自覚症状をどう捉えるかは、通常以上に難しい。だからこそ選手任せにすると、判断が標準化できない状況になってしまう」とし、対策の見直しを口にした。

 また、保健所から2週間程度の活動自粛を要請され、25日までをめどにチームでの活動を休止する。15日のホーム・G大阪戦(駅スタ)など、リーグ戦3試合の延期を含め、Jリーグと協議する。代替日について、村井チェアマンは「今の段階では我々が決める立場にない」と、保健所など行政当局の指導に従い、再調整を図っていく。過密日程の中、試合開催が止まれば、今後のリーグ運営にも大きな影響を与えることは必至。目に見えぬ敵との闘いは続く。

 ◆鳥栖の新型コロナ関連の動き

 ▼8月1日 アウェーF東京戦の試合前に発熱者を確認。Jリーグの判断により予定通り開催。直前の通達が混乱を招き、F東京の長谷川健太監督は試合後、「安心を担保できない中で試合をやらせるのは考えてもらいたい」と訴えた。

 ▼3日 鳥栖がF東京戦前に発熱した選手が、同日に行ったPCR検査で陰性だったと発表。

 ▼8日 金明輝監督は昼間に違和感も大事に至らないとの認識で申告せず、夜の鹿島戦を指揮。翌9日夜に38度の発熱。

 ▼10日 練習に参加した金監督は倦怠(けんたい)感を訴え、PCR検査で陽性判定。

 ▼11日 クラブ独自でトップチームの選手やスタッフを含む89人にPCR検査。

 ▼12日 新たに選手1人、スタッフ1人の陽性が判明し、他に7人が「陽性の可能性が高い」と判定されたと発表した。ルヴァン杯の広島戦は中止になった。同日夜、疑いの7人が陽性判定に。

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