崖の上にいたヤギ、保護一夜明け「飼い主に返さず、このまま牧場で」の声も

保護から一夜明け、元気な様子のヤギの「ポニョ」(むつざわヤギ牧場提供)

 千葉県佐倉市で飼い主の元から脱走し、近所の京成線沿いの斜面に2か月以上もすみ着いて話題になっていた雌の子ヤギ「ポニョ」は、11日に捕獲されて一夜明けた12日、元気な様子だった。

 捕獲、保護した「むつざわヤギ牧場」(睦沢町)の牧場長・川和秀夫さん(57)によると、11日は軽い脱水症状が見られたポニョだが、この日はエサの草をしっかり食べ、体調は特に問題なかったという。

 牧場にいる他のヤギと同じおりに入るなど、“交流”もあった。「同じおりに、出したり入れたりしました。ヤギは仲間意識が強いので、集団の中に知らないヤギが入ると『お前、誰だ』という感じで、いじめられてしまうことがある。(ポニョは)集団に興味があるみたいですけどね。様子を見ながらやっていきます」と川和さん。徐々に他のヤギとの生活に慣れさせていく方針だ。

 斜面にすみ着いていた時は、飼い主の60代男性が「“崖の上”にいるから『ポニョ』」と命名し、多くの見物人が訪れるなど人気者となった。今回、保護されたことで反響もあった。斜面の近くを電車が走るなど危険な状況でもあっただけに、牧場には電話やメールで「保護して下さりありがとうございます」「お礼をさせてほしい」といった声のほか、「飼い主には返さずに、このまま牧場で飼ってほしい」との意見もあったという。

 牧場へ、ポニョに会いに来たいという希望者もいるが、川和さんは「できるだけ受けたいとは思っていますが、コロナの時期でもあるし、今は暑いので…」と、感染防止や熱中症警戒の観点からも、事前に相談があった希望者から1日1組程度で検討する。

 ポニョは生後5~6か月で、5月中旬から下旬に、高さ約1メートルのサクを跳び越えて脱走。数百メートル離れた近所の斜面にすみ着いていた。飼い主はサクを高くするなど、再び脱走しないように飼育環境を整備しているという。しばらくは牧場で保護するが、川和さんによると、当初予想していた約1か月よりも早く、飼い主の元へ戻れる見通しだ。

 また、川和さんは「今はヤギブームで、庭の除草などのためにヤギを飼う方が増えている。癒しにもなるので。千葉県内でもヤギを飼っている方は100人以上はいらっしゃるんじゃないかな。ただ、ちゃんと飼育の仕方を勉強しないといけない。腐敗した野菜くずや、毒草のアジサイなどを(エサに)あげちゃう場合もある。菜の花も、あんまりあげすぎると良くない。(菜の花の)黄色いところに(白い)ヤギを放すと映えるというのもあるんですが。ヤギが死んでしまう可能性もありますから」と、注意を呼び掛けていた。

最新一覧