今夏関西初の客入れ興行に850人 矢田良太、故郷・枚方でKO再起

緊急事態宣言解除後、関西初となる有観客興行で5回TKO勝利した矢田良太。後方は敗れた藤井拓也(カメラ・田村 龍一)

◆プロボクシング ウエルター級(66・6キロ以下)8回戦 矢田良太(5回0分2秒TKO)藤井拓也(9日、大阪・枚方市立総合体育館)

 7月の国内プロボクシング興行再開後、関西初となる客入れ興行が大阪・枚方(ひらかた)市で行われた。主催のグリーンツダジムは、大阪府内の別のジムで7月に新型コロナウイルスに16人が集団感染するなどしたことを考慮し、当日券の販売を取りやめ、3500人収容の会場で観衆850人にとどめた。会場入り口で検温を行い、フェースシールド1000枚を配布。興行後の観客の退場も分散して行った。

 同ジムの本石昌也会長(44)は「興行をあきらめかけた時もあったが、こういう時だからこそ前を向いて進んでいく。応援して下さった皆様に感謝したい」と涙。赤字覚悟の興行だったが、後援者らの支えもあり、収支は「トントン(損得なし)」だという。

 

 7試合が行われ、メインイベントは元日本ウエルター級王者・矢田良太(31)=グリーンツダ=がタイトル戦2連敗から8か月ぶりとなる再起戦に臨み、藤井拓也(32)=三迫=に5回TKO勝ち。矢田が4回終盤に強烈な右ストレートでアゴを打ち抜いてダウンを奪い、藤井は辛うじて立ち上がったが右足を痛め、5回開始早々にレフェリーがストップ。矢田が故郷・枚方で復活を遂げた。通算成績は矢田が20勝(17KO)6敗、藤井が7勝(3KO)6敗。

 コロナ禍のなか、矢田が試合前の宣言通りKO勝利で応えた。リング上で敗れた藤井と健闘をたたえ合い、リング下で長男・都氣くん(1)を抱きかかえた“浪速のターミネーター(抹殺者)”は「お客さんが入ってくれて力になった」と来場したファンに感謝した。

 昨年12月8日、WBOアジアパシフィック同級王座決定戦で別府優樹(29)から5度ダウンを奪いながらも被弾を重ね、10回TKO負け。課題だったディフェンス強化に取り組み、この日の再起戦はきれいな顔で終えた。「新しい矢田良太を見てもらえたと思う」と充実した表情。本石会長は「年内に強い日本人選手と試合を組みたい」と別府へのリベンジ戦を含め、タイトル戦実現を見すえる。

 また、2017年と18年の全日本スーパーバンタム級(55・3キロ以下)新人王対決となったセミファイナルの日本ユース同級タイトル戦は、王者・下町俊貴(23)=グリーンツダ=が挑戦者・英洸貴(21)=カシミ=に5回TKO勝ちし、初防衛を果たした。主催ジムのグリーンツダ勢はこの日、前田稔輝、木村テミン、中村京太郎ら5選手全員が勝利。コロナウイルス対策に試行錯誤しながらも、関西の名門ジムが新たな一歩を踏み出した。

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