照ノ富士、復活Vでも休養返上 上位陣対戦へ「鍛えていかないと」5日から稽古

 大相撲7月場所で2015年夏場所以来30場所ぶり2度目の優勝を飾った東前頭17枚目・照ノ富士(28)=伊勢ケ浜=が3日、テレビ会議アプリZoomで一夜明け会見を行い、横綱・大関など上位陣との対戦が予想される秋場所(9月13日初日・両国国技館)に向けて場所休み“返上”で稽古に励む決意を示した。元大関としては史上初めて序二段に陥落後再入幕し、13勝2敗で幕尻V。史上最大の復活劇にも甘んじることなく、5日から再始動することを明言した。

 誰も成し遂げたことのない偉業にも、照ノ富士は浮かれなかった。5年ぶりの優勝を果たした千秋楽から一夜明け、「正直そこまで勝つとは思わなかった。素直にうれしかった」と振り返った。前夜は部屋に戻ると師匠・伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)と抱き合って喜び「自分の頑張りもあるけど、周りの支えがあった。それがこういう結果につながってますから」と感謝。若い衆とシャンパンでお祝いしたと言い「おいしかった」と少しだけ表情を緩ませた。

 両膝のけがや糖尿病などの影響で、一度は序二段まで陥落した元大関。魁傑以来44年ぶり、昭和以降では2人目となる元大関の平幕Vを達成したが、既に次を見据えている。「とりあえずは明後日(5日)から体を鍛え直そうと思ってる」。通常、場所後は1週間の休みが与えられる。年6場所をこなす力士にとって貴重な休養期間となるが、「1週間は自分の中では長い」と言い切った。

 幕内上位になることが確実な秋場所は、上位陣との対戦が待っている。幕尻だった今場所は、上位との対戦は最後の3日間だけで、終盤には「(膝が)伸びなくなっていた」という。「前半から勝ってたから勢いがあった。今の自分じゃ(上位で)勝てない。(敗れた)正代戦をやってそれを感じた。もうちょっと鍛えていかないと来場所は厳しい」。一度の復活Vで終わらない決意が、にじみ出た。

 この日から、わずか2日間の休みは「いま見ている映画を終わらせます」と、海外ドラマ「THE100」を場所中から楽しんでいたと話し「終わらせないと寝られないから」と笑った。秋場所の目標や大関復帰について問われると「今の自分にできることを全力でやります」。どん底を知った元大関は、常に上を目指し続けている。(大谷 翔太)

 ◆力士の本場所後 地方巡業がなければ、基本的には千秋楽翌日から1週間程度の休みを取ることが多い。激闘を終えた体のケアや治療に時間を費やすだけでなく、後援者らへのあいさつ回り、地元イベントにも出席する。既婚者は家族サービスの貴重な時間であり、外国出身力士は日本相撲協会と師匠の許可を取って母国に一時帰国してリフレッシュすることもある。7月場所後は、師匠の許可や新型コロナウイルスの感染対策などの条件付きで外出が認められている。

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