東京、時短営業期間スタートも対応分かれる 外食大手は通常営業「予防効果期待できない」

多くの客でにぎわう「カフェ ラ・ボエム」自由が丘店

 東京都内では3日、新型コロナウイルスの感染状況の悪化を踏まえ、酒類を提供する飲食店とカラオケ店に対し、都が31日まで要請している午後10時までの時短営業期間に入った。この日も新たに258人の感染者が報告され、悪化傾向に歯止めがかからない。しかし、外食大手の多くが時短営業する一方、感染予防の効果に疑問があるなどとして従わない店もあり、足並みがそろわないスタートとなった。国内感染者の累計は4万人を超えた。

 コロナ禍で苦境に立たされている都内の飲食店は、時短営業要請への対応が分かれた。新橋駅前の居酒屋「根室食堂」は、要請を受け、閉店を深夜0時から午後10時に早めた。平山徳治店長(48)は「都内の1日の感染者数が再び100人を超えてから、客足が遠のいた。収束しないと店を開いていても売り上げが見込めない」と諦め顔だ。

 JR東京駅八重洲口近くの居酒屋「酒ぐら 金八」の佐野和夫店長(75)は「ただでさえ売り上げに響いているのに、時短営業では商売にならない。協力するが、いつまで続くのか」と嘆いた。外食大手では、ワタミが居酒屋「和民」などの直営店を、さらにファミリーレストランの多くも時短営業とした。

 都は要請に応じた中小事業者には20万円の協力金を支払うが、家賃や人件費の負担をカバーできるとは言えず、さらに経営悪化に拍車が掛かる恐れがある。

 ラウンジ「BADD GIRLS 六本木WEST店」は、都の要請に従わない方針。「キャンパスカフェ」と銘打ち、「普通の学生との会話」を楽しめるのが売りだ。6月22日に営業再開後、男性客は透明のプロテクトベールなどに入り、透明のマスクをした女性スタッフが接待する独自の感染防止対策を徹底してきた。

 広報部の乾守さん(49)は「これだけ独自のことをやっている。集客は22時あたりがピーク。協力金でお店が維持できるかと言ったら難しい。人材を売りにしているので、人件費はかなり大きなもの。協力金の有無を気にして仕事はできない」と語る。万全な対策を継続し、通常通り午後4時半から午前1時まで営業する予定だ。

 イタリアンレストラン「カフェ ラ・ボエム」や、和食店「権八」などを運営するグローバルダイニングも、「数時間の営業短縮では予防効果が期待できず、経済への影響の方が深刻」として、一部を除き通常営業を続ける。

 都内の感染者数は8月に入っても1日が過去最多の472人、2日も292人と高水準で推移。小池百合子知事は要請を開始したこの日、「会食などを通じた感染の広がりが見られ、事業者や利用者には協力をお願いしたい」と述べた。

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