【ヤクルト】チーム打率リーグ5位、防御率4位でも首位…担当記者が見た高津野球

4日DeNA戦の7回、重盗を成功させた山田哲

 今季から就任した高津臣吾監督(51)率いるヤクルトが、1分けを挟んで4連勝で12日に首位に躍り出た。チーム打率はリーグ5位の2割4分7厘、防御率は同4位の4・24、得失点差は1と成績が突出しない中で、なぜ勝ちを拾えているのか。担当の田島記者が「見た」。

セ・リーグ各部門のチーム成績

 昨季はパを含む全11球団に負け越して最下位。今季も圧倒的に下馬評が低い中、開幕して間もないとはいえトップに立った。高津監督も「(選手が成長している)実感は多少はあります」と手応えは大きい。

 チーム打率はリーグ5位(2割4分7厘)なのに、総得点はリーグ1位(92)。象徴する試合が4日のDeNA戦(神宮)だ。15安打8点を献上しながら6安打で10得点を奪って逆転勝ち。四球の走者を置き、効果的に2ラン2本。犠飛に内野ゴロ、山田哲、村上で仕掛けた重盗に相手のミスも重なり、安打以外で5得点を挙げた。昨オフ、大砲のバレンティンが流出したが、一つでも先の塁を狙い、得点圏の場面を数多く作る野球がはまった。

 盗塁もリーグトップ(16)。昨季33盗塁の山田哲に次ぐのは村上の5盗塁だが、指揮官は「走れる人はみんな走らせる」。12日の巨人戦(ほっと神戸)では2回2死から安打を放った先発投手の高梨が二盗を仕掛けた(結果はアウト)。あくまで想像だが、アウトは想定内で、もし刺されても次の回は1番からの好打順。そして今後のシーズンへ向けて、相手球団に投手も走るという意識付けが大きい気がする。

 救援陣の奮闘も見逃せない。6回以上3失点以内のクオリティースタートは19試合中7試合しかないが、救援陣の防御率はリーグ断トツの3・59。先制すれば7勝1敗とリードを守っている。失敗しても辛抱強くマウンドに送り出し、開幕10戦連続無失点の2年目右腕・清水は徐々にタフな場面で起用。守備力に定評がある遊撃手・エスコバーの加入で最多27併殺とセンターラインも安定している。

 高津監督が昨季まで2軍監督を務めたのも大きい。関係者は「監督がコミュニケーションを取って、選手は意気に感じている」。西浦、山崎ら日替わりヒーローも出現している。もちろん、いい時ばかりではないだろう。昨季は西浦の故障で急失速した。今年も中村、嶋が離脱した今が腕の見せどころ。「勝ちに不思議の勝ちあり」。故・野村克也監督の系譜に連なる指揮官が新しい風を吹かせている。

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