日本ライフル射撃協会、ビームピストルの新システムを開発「五輪競技として生き残るために」

ビームピストルの新システムをテストする松丸喜一郎会長

 日本ライフル射撃協会は11日、都内で会見し、照準の軌跡を確認できる光線銃「ビームピストル」の新システムを開発したと発表した。松丸喜一郎会長は「観客はその選手が今どこを狙っているか、どこで引き金を引いて着弾したかが見える。光線銃で見て楽しめるシステムを作ることが日本での射撃の普及にも、世界でIOC(国際オリンピック委員会)の競技として生き残るためにも重要」と狙いを説明した。

 日本協会では登録会員の高齢化に伴う将来的な競技人口の減少の可能性に強い危機感を抱く。五輪種目として実施されている装薬銃や空気銃は危険とのイメーもあり、松丸会長は「日本ではネガティブなスポーツとしての印象が深く刻まれている」と危惧する。

 一方、ある調査では「プレーしてみたい」五輪競技でダントツの1位となったこともあり、潜在的に興味を持つ層は多いとの期待もある。そのため、銃刀法の適用を受けずにジュニアからシニアまで幅広い世代が楽しめ、安全性の高いビームピストルやビームライフルなどの光線銃の普及に力を入れていきたい考えだ。

 国際的な流れもある。IOCでは各競技団体に「見ているものが楽しめる競技に」と求めている。射撃でも国際連盟が決勝の方式を変えるなどの工夫を重ねているが、松丸会長によれば「まだエンターテイメント性が低い」と指摘を受けている。さらに、欧州などでは装薬銃に比べて規制が強くなかった空気銃に対しても所持を厳格にする傾向にあり、「IOCは広くみんなが楽しめる競技を五輪競技として残していきたい。持つこと自体が難しい競技ではダメだと考えている」と語った。

 光線銃はそうした課題の解決が期待され、IOCからも五輪競技への導入の検討を促されているという。従来より銃の所持が難しい日本は光線銃の開発で大きく先行しており、松丸会長は「世界で一番知見を持っている」と自負。今後は新システムの活用を進める方針で、来年の国体でも導入が決まっている。

 また、日本協会では新型コロナウイルスの影響でほとんどの大会が中止となった高校3年生のために、8月に新システムを活用した初めての競技会を開催することも決めた。各地での予選会はリモートで実施。上位8人による決勝は、オンラインで照準軌跡を観戦できるような形を考えているという。

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