比嘉大吾、世界再奪取に意欲「バンタム級でチャンピオンになりたい」

練習を終え、取材に応じた比嘉

 プロボクシング元WBC世界フライ級王者・比嘉大吾(24)が6日、横浜市内でスポーツ報知の取材に応じ、「バンタム級で世界チャンピオンになりたい」と“飛び級”での2階級制覇に意欲を示した。3月に白井・具志堅スポーツとの契約を更新せず、新天地を求めた。現在、野木丈司トレーナー(60)の指導の下、徹底した走り込みなどに励む日々。この日も公園内の丘を利用した1時間近いマスボクシング(軽めのスパーリング)などで汗を流した。

 伸び放題だった頬のひげをそったこと以上に、比嘉の表情は晴れやかだ。3月に前所属ジムとの契約をせず、今はフリーの立場。4月に都内から横浜市に移り、世界王座に導いてくれた野木トレーナーと再タッグ。練習は週5日、午前は坂道ダッシュや10キロ走など徹底的な下半身強化、午後はスポーツジムを利用したり、屋外で行うこともある。

 「新型コロナウイルスの影響もあったけど、練習環境を変えたタイミングは良かったかもしれない。基礎体力など戻りつつあります」と比嘉。野木氏も「10キロ走といっても起伏があるので、実際は10マイル(約16キロ)くらいある。パンチ力、身のこなしなどは戻ってきている」と目を細めた。

 比嘉は世界王者時代の2018年4月の3度目の防衛戦の前日計量で体重超過し、王座を剥奪(はくだつ)された。今年2月に再起戦を飾っても、試合後に引退も示唆するなど迷いが続いていた。コロナ禍で練習が満足にできない。ならば新天地を求めるしかない。「今は前を向くだけです」

 この日は近隣公園でマスボクシングを実施したが、42分ノンストップの超ロングラン。「どんなに強い選手でも30分が限界。精神的にもたない。比嘉は多い時は1時間以上やります」と野木氏。丘の斜面でも行うことで体幹やバランス感覚を養う。

 野木氏は、有森裕子や高橋尚子らを育てた故・小出義雄監督の、千葉・佐倉高時代のまな弟子。昨年4月に亡くなる直前まで、恩師は“孫弟子”の比嘉の状態を気にしていたという。「監督は自分に理解のある方でした。期待に応えたい」と比嘉は目を輝かせた。

 戦場はバンタム級に求めた。WBA、IBF統一王者・井上尚弥(27)=大橋=を中心の群雄割拠だが、比嘉は「適正の階級だと思う。世界は取れる」とキッパリ。井上との対戦も夢見るカードの一つだ。「世界を取れる練習をしていく。できるだけ早くなりたい」。現在、WBCで8位、WBAで9位と世界ランク入りもしており、フライ級からの飛び級2階級制覇に定めた照準はもはやブレない。(谷口 隆俊)

 ◆比嘉の計量失敗以降の経緯

 ▽2018年4月14日 WBC世界フライ級王座の3度目の防衛戦の前日計量で同級リミットの50.8キロを大きく上回る51.7キロに。2時間の猶予で再計量の機会が与えられたが、制限時間30分前に断念。王座剥奪となった。翌日の試合は9回TKO負け。その後、日本ボクシングコミッションはボクサーライセンス無期限停止処分を科した。

 ▽19年10月 処分解除。

 ▽20年2月13日 フライ級から3階級上のスーパーバンタム級(53.8キロ以下)で再起戦に臨み、フィリピン選手に6回TKO勝ち。

 ▽同3月11日 白井・具志堅スポーツジムとの契約が切れ、更新せず。フリーとなった。

 ◆比嘉 大吾(ひが・だいご)1995年8月9日、沖縄・浦添市生まれ。24歳。沖縄・宮古工高でボクシングを始める。アマ戦績は36勝(8KO)8敗。高校卒業後の2014年にプロデビュー。15年にWBC世界ユース・フライ級王座、16年に東洋太平洋同級王座を獲得。17年5月、WBC世界フライ級王座を奪取。18年4月のV3戦で計量に失敗し、王座を剥奪された。戦績は16勝(16KO)1敗。デビューからの15連続KO勝利は日本タイ記録。身長161センチの右ファイター。

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