志村けんさん兄、感染拡大防止のために面会できず「死後も会えない、骨上げ立ち会えない」

弟との別れを涙ながらに語った兄の志村知之さん

 29日に亡くなった志村けんさん(享年70)の兄・知之さん(73)が30日、東京・東村山市内の自宅前で沈痛な胸の内を明かした。入院後、一度も面会できなかったことへの無念や、生前の思い出を涙ながらに語った。

 知之さんに悲報が届いたのは29日の午後11時20分ごろだった。「連絡を受け、残念で、悲しくて悲しくて。ほとんど眠れませんでした。まさかコロナで亡くなるとは」と何度もハンカチで涙をぬぐった。

 弟が20日に入院してから、一度も面会できなかった。「感染症で亡くなると、死後も顔を見に会いに行くこともできない。火葬も病院が指定した所で行われ、骨上げにも私たちは一切立ち会うことはできない」と明かした。厚生労働省のガイドラインでは遺族が遺体の搬送を行うことは問題ないとされているが、現実的には遺体との対面も難しい状況だったとみられる。

 遺骨は31日夕に知之さんの自宅に到着し、親族のみで家族葬を行う予定。「本当はもっと盛大にやってあげたいですよ。お花をたくさん飾ったりしてね…」と消え入りそうな声で話した。今後、志村さんの所属事務所などと相談し「お別れの会」を開く予定という。

 志村さんは毎年、大みそかに知之さんの自宅を訪れるなど、年に2回ほど食事をともにしていた。今年の正月に会った際、志村さんは「NHKや映画もあるんだ」と、仕事への意気込みを口にしていたという。

 最後に会ったのは、2月25日。20日に70歳を迎えた志村さんの古希祝いの食事会を、志村さんの行きつけだった東京・麻布十番のすし店で開き、親族約10人が集まった。志村さんは紫色のちゃんちゃんこを贈られ「『え、これ着るの?』なんて言いながら着てくれました。最近は少し控えめにしていたけど、大好きなお酒も飲んで、とてもうれしそうにしていました」と振り返った。しきりに涙を浮かべながら、亡き弟を「50年近く、芸能界の第一線でがんばってきた。スターだった。えらかった」とたたえた。

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