「志村けんさんの死を無駄にしたくありません」…「音頭」で全国区の地元・東村山市長誓った

志村けんさん

 29日に志村けんさんが亡くなったことを受け、志村さんの地元である東京都東村山市の渡部尚市長(58)が30日、スポーツ報知の取材に応じた。TBS系人気番組「8時だョ!全員集合」で「東村山音頭」を披露し、東村山を全国区にした功労者。東京五輪の聖火ランナーも務める予定だった地元のスターの死に、渡部市長は「痛恨の極み」と唇をかんだ。

 東村山が生んだお笑い界のスター・志村さんの訃報に、渡部市長は「まさか、まさかの出来事だった。元気になってほしいと祈ってたので、一報を聞いた時は衝撃的すぎて絶句しました」と声を震わせた。「長年、明るく元気に、希望と笑顔を市民に与えてくれた。心から感謝申し上げたい」と悼んだ。

 東村山が知名度を爆発的に上げたのは「8時だョ!全員集合」で志村さんが「東村山音頭」を披露したのがきっかけ。志村さんは後に「普段から、いかりや(長介)さんが『おい田舎者! 東村山の田舎者!』ってずっと言ってたんですね。その反抗の意味で僕は『東村山~』って歌ってたんですよ」と語っていた。

 志村さんの12歳年下で、東村山市出身の渡部市長も、その存在を肌で感じながら育った。「中学の修学旅行の時、関西に行ったら、お土産屋で出身を聞かれて、東村山と答えたら、『志村さんの所ね』と。誇らしくなりました」と振り返った。

 7月14日には、志村さんは聖火リレーのランナーを務めることが決まっていた。地元・東村山地区の第1走者になる予定だったという。志村さんの功績をたたえ、1976年に東村山駅前に植樹された3本のケヤキの木「志村けんの木」から聖火を届けるはずだった。渡部市長は「笑いと希望を与えてくださる方が、市民を代表して力強くスタートを切ってほしかった。五輪も延期になり、元気な姿を見せてくれると思った」と無念さをにじませた。

 「志村けんの木」には、午後3時頃に献花台が設けられ、多くの人が死を悼んだ。東村山市役所に勤め、志村さんと仕事を一緒にしたことがある70代女性は「志村さんは神様みたいな存在で、物静かだけど話したら気さくな方でした。本当は外出は控えないといけないけど、どうしても手を合わせたくて」と、しのんだ。

 渡部市長は「志村さんの死を無駄にしたくありません」と話す。市内でも外出自粛要請の無視が目立つが、「志村さんが身をもってウイルスの怖さを国民に教えてくれた。オーバーシュート(感染爆発)を抑え、前を向いて一人でも多くの命を救うことが、志村さんへの報いだと思います」と感染拡大防止を誓った。

(増田 寛)

 だいじょぶだァー饅頭「今日、売り上げが伸びるのはとても悲しい」

 ○…志村さんのギャグ「だいじょうぶだァー」をモチーフにした東村山名物和菓子「だいじょぶだァー饅頭(まんじゅう)」を発売している、和菓子屋「餅萬」の社長・深井駿さん(37)は、先代の父・克己さんが志村さんと同級生だった。深井さんも10歳の時に志村さんに会ったといい「気さくで優しい方だった。東村山を全国に広めてくれたスーパースター。今は何も考えられません」と悼んだ。「―饅頭」は志村さんのコントがきっかけの商品で、「店の一番人気です。今日、売り上げが伸びるのはとても悲しい」と複雑な表情を浮かべた。

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