センバツ叶わず異動…磐城・木村保監督、最後のノック 涙で「離れるのは悲しい」

最後のノックを終え、号泣した磐城・木村監督(中)

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中止となった春のセンバツ高校野球(甲子園)に21世紀枠での出場が決まっていた磐城(福島)で30日、“最後のノック”が行われた。4月1日付で異動のため母校を去る木村保監督(49)と大場敬介部長(30)が約30分間、選手たちへの思いを白球に乗せて打ち込んだ。

 指揮官へのサプライズがあった。「まさか、彼らから一言あると思っていなかった。グッとくるものがあった」。ラストワンプレーを前に選手一人ひとりが、恩師たちへの感謝のメッセージを贈り「最後のノック、お願いします!」と大声で叫んだ。

 最後から2人目となった柳沢諄捕手(2年)が捕球前に泣きじゃくる姿を見た木村監督は「泣くなよ…」とポツリ。我慢できず涙腺が決壊した。「家を出る時に妻(友規子さん)から『泣かないで頑張ってきてよ』と言われてたんですけど、ダメですね。あの姿を見てしまうと。正直、離れるのは悲しいので泣いてしまいました」と目頭を押さえた。

 木村監督は「こういう形になりましたけど、彼らは前を向いて階段を上がっていってくれると思う。陰ながら活躍を見守っていきたい」と言葉を結び、慣れ親しんだグラウンドを後にした。(長井 毅)

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