【箱根への道】神奈川大・越川、トップ走再び…2年前鈴木先輩が見せてくれた「あの景色」

「先頭でタスキ渡し!」と箱根駅伝の目標を色紙に書き込んだ神奈川大の越川堅太(カメラ・関口 俊明)

 第96回箱根駅伝(来年1月2、3日)で3年ぶりのシード権(10位以内)を狙う神奈川大が15日、横浜市のキャンパスで練習を公開。1年時に3区途中まで先頭を走った越川堅太(4年)はチームメートに同じ体験をさせるために、2年ぶり3度目の3区で区間賞獲得と首位浮上を誓った。大後栄治監督(55)があわや辞任というピンチを乗り越えて結束したチームは、総合5位を目標に掲げる。

 箱根駅伝でトップを走ると、目の前には全国生放送する日本テレビの第1中継車がいる。二重三重となった人垣に興奮する。神奈川大の現チームで唯一、その状況を知る越川は言葉に力を込める。

 「あの景色は忘れられない。特に僕は目立つのが好きなので。チームメートに、あの景色を見させてあげたい」

 2017年大会は2区でエースの鈴木健吾(現富士通)が区間賞の快走を見せ、チーム史上初めて往路の戸塚中継所を先頭で通過した。タスキを受けたのは当時1年の越川だった。約13キロで青学大の秋山雄飛(現中国電力)に首位を奪われ、その後は早大の平和真(現カネボウ)にも抜かれて3位に転落した。区間15位。喜びも悔しさも、すべてが貴重な経験になった。「またトップを走りたい。抜かれた悔しさは晴らしたい」

 2年時も3区を走り、前年の自身の記録を50秒縮めて区間11位。3年時は花の2区で区間15位だった。最後の箱根路では、みたび3区出陣を熱望する。「北崎拓矢、井手孝一(いずれも3年)と2区を任せられる頼もしい後輩がいる。僕は3区を走ってチームをトップまで持っていきたい。4区以降のチームメートにトップを走らせたい」

 9月中旬に左足裏を痛め、約1か月間も練習を中断。予選会(10月26日)では個人総合71位、チーム7番手にとどまったが、現在は順調に練習を消化している。「チーム練習は1週間に150~180キロですけど、僕は250~300キロ走っています」と胸を張った。大後監督は「これから練習量を落とさせる。調整が重要。ハマれば大爆走するでしょう」と期待を寄せた。

 チームは17年大会の5位から13位、16位と下降した。今回の目標は5位。「健吾さんという大エースがいた3年前のチームより、今年のチームの方が総合力は上です」と越川。箱根の山の高さを知っている男がキーマンになる。(竹内 達朗)

 ◆神奈川大 1948年創部。箱根駅伝は前身の横浜専門学校時代を含め、通算51回目の出場となる。97年に初優勝。98年には連覇を果たした。同シーズン(96、97年)には全日本大学駅伝も連覇し、神奈川大の黄金時代を築いた。出雲駅伝は最高2位(97、02年)。長距離部員は選手47人。タスキの色はプラウドブルー。主な陸上部OBは鈴木健吾(富士通)、設楽悠太のものまね芸人のポップライン萩原。

 ◆越川 堅太(こしかわ・けんた)1997年12月16日、横浜市生まれ。22歳。金沢中1年から陸上を始める。東京実高3年時に「箱根駅伝への登竜門」といわれる青梅マラソン高校10キロで優勝。2016年、神奈川大人間科学部入学。来春の卒業後は日立物流で競技を続ける。目標の選手は12年ロンドン五輪1万メートル銀、16年リオ五輪マラソン銅のゲーレン・ラップ(米国)。180センチ、60キロ。

 ◆監督辞任危機で結束力高まった…戦力分析

神奈川大の戦力チャート

 あわや大後監督辞任のピンチを乗り越え、結束力が強まった。「4年生は個性が強すぎて、前半はバラバラだった」と主将の安藤は正直に話す。10月上旬、大後監督は「そんなに相手を許容できないチームなら、オレは辞める」と通告した。指揮官の“覚悟”に雰囲気は一変。「辞めないでください」と懇願すると同時にチーム内にはお互いを思いやる雰囲気が漂い始めた。

 4年生は7人がメンバー入りし、荻野が1区、越川が3区、安藤が10区出陣が見込まれる。“ワンチーム”になった神奈川大は5位という目標にトライする。

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