【巨人】原監督、やり返す「また仕切り直しだね」黒星発進も「糧としてつなげる」

7回途中から登板し3失点した田口《28》をベンチから出て励ますように迎えた阿部(右)(カメラ・生澤 英里香)

◆SMBC日本シリーズ2019 第1戦 ソフトバンク7―2巨人(19日・ヤフオクドーム)

 その目は、前だけを見据えていた。原監督の言葉に力がこもった。「結果的には大差になったが、明日からまた仕切り直しだね」。得点はソロによる2点だけ。19年の頂上決戦は、黒星発進となった。だが、まだ1試合。決して恥ずべき戦いはしていない。その思いは揺らいでいなかった。

 終始、流れを引き寄せ切れなかった。剛腕・千賀から2回に阿部のソロ弾で先行したが、その裏に山口がグラシアルに逆転2ランを浴びる。2点を追う7回には2死二、三塁としたが、代打・重信は千賀のカットボールの前に見逃し三振に倒れた。低めのベストボールで、どの打者でも打つのは難しいと言える球だ。だが、試合の流れとは残酷なもので、一打同点の好機を逃すとやはり相手に傾く。直後に救援陣が一挙4失点し、試合は決した。「四球絡みになると、ビッグイニングになるケースはあるね」と1死三塁から代打・川島を歩かせた場面を悔やんだ。これでセのチームは日本シリーズにおいて、パの本拠地で16連敗となった。

 シーズン同様に戦う―。試合前の全体ミーティング。原監督はナインの前に立ち、意思を統一した。「日本シリーズは短期決戦と言われるけど、戦ってみると長丁場。いいことも、あるいは逆風が吹くこともある。どういう状況になっても、ガックリすることはない」。結果に対して修正する時間がある。焦る必要はないと説いた。最後は大一番の儀式。全員で手をつないで輪になり、心を一つにした。

 ただ、そのためには練習通りの自分を表現しなければならない。指揮官は就任直後の昨秋から、試合は腕試しの場と表現。日々の練習で培ってきたスタイルを試合で変えるようなことがあれば、厳しく指摘してきた。だからこの日も言った。「自分を疑わない。2月からこのユニホームを着て戦ってきたその自分を信じて、投手なら投げ込む、打者ならテイクしながらヒットしていく」。大一番で結果を求めるあまり、当てにいくなど小手先の技術に走るようでは、先につながらない。

 その点では、シリーズ初出場ながら田中俊がマルチ安打、大城が相手守護神・森から一発と持ち味を発揮。1戦目を終え、独特の重圧も経験できた。「誰だって日本シリーズの第1戦は少々硬くなるよ。今日の試合はかえってこないわけだし、糧としてつなげる」。00年の“ON決戦”も、2連敗から4連勝して日本一まで上り詰めた。反省はしても、悲観する必要はない。(西村 茂展)

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