ジョセフ日本、15人が外国出身 一枚岩で南アフリカ斬り

走り込みを行う(左から)松島、ラブスカフニ、リーチ(カメラ・石田 順平)

 世界ランク6位の日本代表は20日、準々決勝でW杯2度優勝の同5位・南アフリカ代表と対戦する。19日は都内で練習と会見を行い、先発SHの流大(ながれ・ゆたか、27)=サントリー=は、チームが雑念のない“無心ゾーン”に突入していると明かした。7か国の出身選手で構成され、一枚岩と化した「ONE TEAM」で15年大会に続く強豪撃破を目指す。“Wフェラーリ”の松島幸太朗(26)=サントリー=と桐蔭学園高で、福岡堅樹(27)=パナソニック=と筑波大で同じチームだった竹中祥(27)=NEC=が2人の特徴を語った。

 大一番に挑むチームの心境を、会見に出席した流がシンプルに代弁した。

 「すごく注目されてるのは感じる。ベスト8に行きラグビー界はもちろん、スポーツ界にもいい影響を与えたと思う。ただ、僕たちが集中するのは目の前の試合、自分たちのプレーの遂行。国民の思いを背負うけど、それは自分たちの試合を遂行した後に感じることだと思う」

 緊張してガチガチになった1次リーグ初戦・ロシア戦の猛省から始まり、全勝した4戦を経て心臓に剛毛のような毛が生えた。初の8強入りを決めたスコットランド戦の瞬間最高視聴率は53・7%(関東地区)と国内は空前のブーム。それでも“無の心境”だ。

 ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチは「雑念が入らないように、目の前の試合に集中するように指導してきた。テレビやSNSなどはあえて『雑音』と言ってきた」と話す。ロシア戦で「死ぬほど緊張した」と漏らしたSO田村が1次リーグで得点ランク首位に立つなど、試合ごとにチームは成長してきた。スコットランド戦を控えた先週の練習。疲労が重なりプレーが雑になると、流が「一つのソフトなプレーが、W杯や大きな舞台では大きな影響を与える」とカツを入れた。

 31人中15人が外国出身の多国籍チーム。母国との対戦に向けて、南ア出身のラブスカフニは「さまざまな背景を持つ選手たちが『ONE TEAM』を合言葉に同じゴールに向かっている。ワンゴール、一つの考え方を持つことが大事」と、改めて一枚岩の精神が重要だと力説した。

 この日の練習後ミーティングではリーチが、チームの象徴グッズ「刀」を引き合いに出し「ハードな練習によって何度も何度も火入れし、叩いて強くした刀は世界でも負けない強度を誇る」と呼びかけた。4戦連続トライを期待されるウィングの福岡も「自分たちの鍛え上げた刀を信じて最後まで戦います」と誓った。

 前回大会の1次リーグでは南アに34―32の大金星を挙げ、達成感から泣きじゃくった選手もいたが、今大会は勝利を重ねても油断は全くない。20日は、16年に胆管細胞がんで53歳で亡くなった元日本代表監督の平尾誠二さんの命日。日本ラグビー史上最大の決戦へ、準備は整った。(小河原 俊哉)

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