【どすこい異才多彩】元ボディービルダー・朝鬼神は朝乃山の付け人兼筋肉コーチ

十両昇進を目指す朝鬼神

 朝鬼神が、丸太のように太い腕で希帆ノ海(出羽海)を押し出した。「昨日もトレーニングしたので。体張ってます」。付け人を務める朝乃山が初金星&幕内100勝を飾った5日目(12日)、自身も通算100勝を達成。この日の一番で、勝ち越しに王手をかけた。

 肉体美を競うボディービルから力士に転身した。打ち込んでいた剣道でのケガが原因で始めた筋力トレーニングにハマり、ジムでインストラクターをしながらボディービル大会に出場。全国5位の実績を残し、専門雑誌に掲載されたことを機にスカウトされた。「3か月悩んだが、今しかできないことに挑戦したかった」。筋肉という最強の武器をひっさげて、2015年春場所で初土俵を踏んだ。

 専門知識を駆使して生き抜く。「バーベルは僕の原点。鉄にも神様はいる」とトレーニング理論を相撲仕様にアレンジ。肩や三頭筋などを鍛えつつ、食事は高タンパクを心がけ、朝稽古前など1日6食だ。

 18年九州場所から付け人の傍ら、朝乃山の“フィジカルコーチ”としてトレーニングの助言もする。今年5月の夏場所、幕内初優勝につながった。

 花道で気合を注入し、朝乃山の背中にくっきり残る手形はファンから「天使の羽」と呼ばれる名物だ。「年下ですからね。僕も頑張らないといけないし、後悔したくない」。誰にも負けぬ鎧(よろい)をまとい、新十両昇進へきょうも汗を流す。(太田 涼)

 ◆朝鬼神 克忠(あさきしん・かつただ)本名・山端克忠。1992年9月29日、兵庫・加西市生まれ。26歳。プロ野球・阪神の島本浩也投手と同級生だった福知山成美高時代は剣道部。大産大へ推薦入学するが、剣道をせずに体を鍛えてばかりだったため約1週間で中退。初土俵は高砂部屋から15年春場所。得意技は突き、押し。しこ名の由来は「鬼はかっこいいから。神はお世話になったプロレスラー・ゼウスにいただいた」。184センチ、140キロ。

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