【北北海道】クラーク・越智、急死父との約束果たせず

スタンドから遺影を向けて応援した越智の母・千穂さん

◆第101回全国高校野球選手権北北海道大会 ▽決勝 旭川大高9―0クラーク(20日、旭川スタルヒン球場)

 クラークは、強い動機を胸に秘めて戦った。野球部の父母会長を務めていた越智健斗外野手(3年)の父・一久さんが、7日に急性心臓死で亡くなった。5日に北大会の組み合わせが決まり、6日に激励会を開いた直後の出来事だった。享年46。全部員が参列した葬儀で、施主を務めた越智は涙を流しながら「甲子園に行くので、父さん見ていてね」と誓った。その思いをナイン全員が受け止めた。

 スタンドでは、母・千穂さん(44)が遺影を手に応援。越智が2歳の時、消防士だった父と消防車に乗って撮影した1枚だ。打撃練習のために自宅の車庫を改装するなど陰日向となって支えてくれた父の期待を胸に、越智は6回の守備から右翼へ。9回の攻撃では一ゴロで全力疾走した。

 会長のために、越智のために。チームは心を一つにしたが、3年ぶりの甲子園に届かなかった。それでも、天国の父はその努力をたたえているだろう。「悲しい気持ちも力に代えて出し切った。体は小さいけれど、心の強さは誰にも負けない。次は甲子園で後輩を応援したい」。越智の声がベンチに響いた。(石井 睦)

北北海道大会
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