【山中慎介ジャッジ】井岡一翔は回を重ねるごとに技術際立ち、中盤以降は勝つと確信

8回、パリクテ(左)に右ストレートを打ち込む井岡(カメラ・竜田 卓)

◆プロボクシング ▽WBO世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)王座決定戦12回戦 ○同級2位・井岡一翔(TKO 10回1分46秒)同級1位アストン・パリクテ●(19日、千葉・幕張メッセ)

 プロボクシングの井岡一翔(30)=Reason大貴=が、日本人男子初の世界4階級制覇を達成した。2年2か月ぶりの国内復帰戦で、WBO世界スーパーフライ級1位アストン・パリクテ(28)=フィリピン=に技術の差を見せつけ、最後は猛烈な連打を浴びせて10回1分46秒TKO勝利。2011年2月に獲得したミニマム級から9年がかりで4階級目の王座を手に入れた。戦績は24勝(14KO)2敗。(観衆3800人)

 僕の採点は序盤の2回までパリクテだったが、3回以降は10回にTKO決着がつくまで、ほぼ井岡のラウンドだった。毎回、思うことだが、井岡は非常に対応力があり、考え抜いたボクシングをする。それを動きに出せる冷静さがあった。体が大きくパワーのある相手に最初は戦いづらかっただろうが、回を重ねるごとに技術が際立ち、中盤以降は勝つと確信した。

 空振りが多かった相手と比べ、パンチは精度が高く正確で、左右のコンビネーションの出す場面やタイミングも良かった。相手は攻防が分離していて、打ち終わりに隙が出る。それを見極め、左ボディーを打ち込んで体力を効果的に削り取った。キャリアで差が出たのは7回。一気に前に出たパリクテだったが、疲れる前に攻撃を止めることができず自分を不利な状況に追い込んだ。

 判定に持ち込まず前に詰めて仕留めたことで、この階級で期待できると示せた。4階級制覇は本当にすごいが、井岡がスーパーフライ級で真の評価を得るのはこれからだろう。WBC王者のエストラーダらとの統一戦をファンは望む。さらに強打と高い技術を持った強豪を相手に強さを試してほしい。(元WBC世界バンタム級王者)

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