もう一度返り咲く―。地球の裏側で見た33歳の侍・岡崎の挑戦

チリ戦でドリブルで攻め込む岡崎

 今年1月、10年ぶりにサッカー担当に復帰した。当時、サッカー界をけん引していく存在として注目を浴びていたのは本田圭佑や香川真司、長友佑都ら北京五輪世代。そのなかで、泥臭いストライカーとして輝きを放っていたのが岡崎慎司だった。

 あれから10年。現在、日本代表が参加している南米選手権は、スペインの名門・Rマドリードへの移籍が決まった日本代表MF久保建英フィーバーに沸いている。その陰で、再び代表定着を目指そうともがく33歳の岡崎に目が止まった。

 代表選出は昨年のロシアW杯以来。森保監督が就任してからは初めてだ。東京五輪世代が大半を占めるメンバー構成のなかで、ベテランとして若手に経験を伝えていく。そこを求められての召集であることは明らかだった。岡崎自身も役割は理解している。が、それだけで終わろうとは微塵も思っていない。

 「FWには色んなタイプが必要。サコ(大迫)のような選手もいるし、永井のような選手もいる。鈴木武蔵のような身体能力が高い選手もいる。ただ、FWとして重要なのはゴールを取ること。活気を与えるような、気持ちでプレーするのも一つの特徴だと思う。自分がここでのし上がっていくためには、そういうものをチームに与えないといけない」。自分に置かれた現状と真摯に向き合う言葉には、日の丸への強い思いを感じさせた。

 同じFWの前田大然=松本=は「クロスからのシュート練習をやった時に、入り方が全然違うなと感じた。『そこ突っ込むか』というか、『そこにポジションを取っているのか』と。それだったら点獲れるなっていうポジションです」と、位置取りのうまさに感銘を受けた。「岡崎さんや柴崎さん、川島さんが入ると雰囲気がガラッと変わります。引き締まる感じ。積極的にコミュニケーションもとってくれて、年上だからといって意見を言いづらい雰囲気じゃない。すごくやりやすいです」と話す選手もいた。ひたむきな姿勢は、若き代表メンバーに確実に影響を及ぼしている。

 1次リーグ初戦のチリ戦では、後半34分から途中出場。攻守に献身的な動きを見せたが、決定機を生み出すことはできなかった。試合後は「0―2の状況で入ったので、1点取れば形勢を変えられると思っていたが、前がかりになったところをやられてしまった。自分がもっと、守備でチームを助けられたら良かった」と悔やんだ。

 今季、イングランド・レスターでは先発出場はわずか1試合にとどまり、無得点で退団。欧州移籍を希望し、新天地はまだ未定だが視線は前を向いている。報道陣から久保へのアドバイスを求められた際「失敗とか色んなことが出てくるけど、自分の進みたい方向にぶれずに進む。貫き通すことが大事」と話した岡崎。今なおぶれない侍は、これからも森保ジャパンに必要なはずだ。(記者コラム・種村 亮)

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