【日本ハム】杉谷「無我夢中」延長12回サヨナラ打 栗山監督58歳誕生日を前祝い

12回2死満塁、左越えサヨナラ打を放った杉谷(右から2人目)は中田翔(右)らナインの手荒い祝福を受けた(カメラ・関口 俊明)

◆日本ハム6x―5楽天=延長12回=(25日・札幌ドーム)

 日本ハムの杉谷拳士内野手(28)が栗山監督の「58歳前祝い」となる劇的なサヨナラ打を放った。延長12回2死満塁。楽天・青山から左翼頭上を越すヒットで6―5。26日に58歳の誕生日を迎える指揮官に自身2度目のサヨナラ打で白星をプレゼントした。今季5度目の延長戦を制し、開幕戦以来の今季2度目のサヨナラ勝ち。首位・楽天との3連戦を勝ち越し、8試合ぶりに貯金1を積み上げた。

 白球の行方に目を凝らし、杉谷は祈った。「越えてくれ―」。左翼にはじき返したライナー。懸命に追う左翼・橋本の背中の奥に、打球が弾んだ。延長12回の激闘を制するサヨナラ打。振り返った視界に飛び込んできたのは、三塁ベンチから駆け寄って来るナインの姿だった。「興奮状態。無我夢中で走ってました」。手荒いウォーターシャワーの祝福に、大仕事の実感が沸いて来た。

 失敗を取り返した。びしょびしょに体をぬらして上がった今季初めてのお立ち台。「前の打席でバントを失敗していたので取り返せて良かった」。7回裏に代走で途中出場。一塁守備に入ったが、延長11回に送りバントを失敗。ミスで流れを切ってしまうプレーがあったが「どこかで取り返すチャンスがないかなって思っていた」と最後は笑えた。

 プロ11年目の今季は守備固めや代走としての起用が主だ。先発での出場機会が限られた中で、自分の仕事に徹してきた。チームを支える元気印に回ってきた好機だった。金子打撃チーフ兼作戦コーチからは「死ぬ気で行け!」と猛ゲキを受け、スコアラーや次打者の近藤からも「低めの変化球を見送ったら、次は真っすぐ1本で」と助言をもらった。ナインの期待に応えるべく、狙い通り1ボールから直球を捉えきった。

 指揮官への“前祝い打”にもなった。26日は栗山監督の58歳の誕生日。気づいていなかったが、試合後に報道陣から伝え聞くと「57歳サヨナラ記念日ですね。58歳の誕生日を気持ち良く迎えてほしいという思いで打席に立ちました!」とニコリ。ひょうきんに笑う姿に、サービス精神があふれた。「いつでも前を向いて野球が出来ているので、神様がチャンスをくれたんじゃないかな」。背番号2の前向きな姿勢が、劇的なサヨナラ勝ちを呼び込んだ。(秦 雄太郎)

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