【無良崇人の目】羽生とチェンの得点差は4回転の種類…基礎点高いジャンプ追加が必須

表彰台から降りる際、優勝したネーサン・チェン(中)に道を譲る羽生結弦(左は3位のビンセント・ゾウ=カメラ・矢口 亨)

◆フィギュアスケート 世界選手権 最終日(23日・さいたまスーパーアリーナ)

 男子フリーが行われ、ネーサン・チェン(19)=米国=が1位の216・02点を出し、合計323・42点で2連覇。フリー、合計とも現行ルールの世界最高となった。2位の羽生結弦(24)=ANA=がチェンを超えるためにどうすべきか、無良崇人さんが解説した。

 羽生選手もチェン選手も互いに最大限を出し切っての勝負で、歴史に残るようなハイレベルな戦いでした。自国開催の緊張感の中でやりきった羽生選手もすごいし、完全アウェーの中でSPもフリーも完璧にそろえたチェン選手も素晴らしかった。

 合計得点では22・45点差がつきました。羽生選手はSPで4回転サルコーが2回転になったことが大きく響いています。フリーでは互いに4本の4回転を組み込み全て着氷しましたが、4回転の種類が得点差につながった。チェン選手はアクセルを除くジャンプで最も基礎点が高いルッツ、次に高いフリップを入れています。さらに4回転ルッツは、最大に近い4・76点の加点を引き出し大きく得点を稼ぎ出しました。

 フリーで羽生選手は4回転1本が回転不足で、ステップでもレベルの取りこぼしがあったので、少なくとも5点近くはロスしていると考えられます。ただ完璧に演技したとしても、チェン選手との差を埋められたかどうか。羽生選手が話している「追随されないように強くなる」ためには4回転でルッツ、フリップという基礎点の高いジャンプの投入が必須になるでしょう。すでにほとんどの項目で高い加点を得ており、これ以上の加点をもらうのは針の穴に糸を通すようなこと。ジャンプの種類を増やす方が得点が伸びていくと考えられます。(14年四大陸選手権優勝)

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