【甲府】終了間際同点弾でクラブ新記録開幕5試合負け無し FW連続投入が実った

後半ロスタイム3分、こぼれ球を押し込み、同点ゴールを奪った甲府FW佐藤洸(右は甲府MF横谷、下は金沢GK白井)

◆明治安田生命J2リーグ第5節 甲府1―1金沢(23日・中銀スタ)

 ヴァンフォーレ甲府はホームで金沢と対戦し、1―1で引き分けた。前半12分に先制を許したが、今季金沢から加入し、初出場したFW佐藤洸一(32)が試合終了まで1分となった後半ロスタイム3分に値千金の同点ゴールを決めた。開幕から5試合負け無しは09年の4試合無敗を抜き、クラブ新記録。2年ぶりのJ1昇格を目指す今季は、しぶとく負けない。

 照明灯がつくほどの暗雲の隙間から、光が刺してきた。後半ロスタイム4分も3分が過ぎていた試合終了直前。FW佐藤洸がネットを揺らした。まさに起死回生の同点ゴール。山梨中銀スタジアムは割れんばかりの歓声に包まれた。クラブ史上初、開幕から5戦無敗を呼び込んだ瞬間だった。

 前節まで3勝1分けはJ2時代の09年に並ぶ過去最高タイだった。4連勝こそ逃したが、最後まで諦めない姿勢を結果に結びつけた。伊藤彰監督(46)は「負け無しでこられたのは選手、ファン、サポーターのおかげ」と謝意を示し、「苦しいゲームで勝ち点1を取るのは、そう簡単ではない。内容は良くない。だが、今日は1つのターニングポイントになる」と断言した。開幕から5試合で勝ち点11も過去最多となった。

 前日から10度近く下がった気温のように、これまでの4試合のようなキレが見られなかった。前半12分、右サイドを破られ、金沢のFWクルーニーに先制を許した。伊藤監督は後半20分にFWバホスを送り込み、今季初の外国人3トップへ。さらに同38分にMF武岡を下げ、佐藤洸を投入した。

 指導がきめ細かい戦術家で、ダンディーな外見も相まってスマートな印象の伊藤監督だが、なりふり構わぬFWの連続投入は思い切りが良い“闘将”の一面をのぞかせた。最終的にFWが5人となる執念の采配が実を結んだ。

 「勝ち点0を1に、勝ち点1を3に」を合言葉にキャンプから取り組んできた。これまで4得点と好調なウタカの陰で、出番を待ち続けていた佐藤洸が、出場7分で救世主になった。この日もぎとった勝ち点1は、J1昇格がかかる終盤戦で大きな意味を持ってくるに違いない。(西村 國継)

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