懐かしのスーパー・ファイターのテーマが国技館に響いた…金曜8時のプロレスコラム

「ジャイアント馬場没20年追善興行~王者の魂~」に集結した新旧スーパーファイターたち

 「ジャイアント馬場没20年追善興行~王者の魂~」「アブドーラ・ザ・ブッチャー引退記念~さらば呪術師~」が19日、東京・両国国技館で開催され、11団体59選手が出場した。三冠ヘビー級王者・宮原健斗(29)=全日本プロレス=からグレート小鹿(76)=大日本プロレス=まで、幅広い世代のファンが楽しめるプロレスの祭典となったが、最も心を震わされたのが、往年の入場テーマ曲だった。

 場内が暗転し、ジャイアント馬場さんが使用した日本テレビ「全日本プロレス中継」のテーマ「スポーツ行進曲」が流れて、1999年1月31日に61歳で亡くなった馬場さんの名勝負ダイジェストと、この日の対戦カードが発表された。続いて「炎のファイター」に乗ってアントニオ猪木参院議員(76)が登場。「1、2、3、ダーッ!」を叫んだ。そして「全日本プロレス中継」の海外遠征時のテーマ「スターウォーズ」とともに、第1試合のジャイアント馬場メモリアルバトルロイヤルが始まった。

 アブドーラ・ザ・ブッチャー(78)の引退セレモニーでは、「吹けよ風、呼べよ嵐」でブッチャーが車イスで入場。ロープをゆるめて、トップロープとセカンドロープの間から車イスごとリングインするというシーンを初めて見た。日本テレビ元アナウンサーの徳光和夫氏、倉持隆夫氏、松永二三男氏らが花束贈呈している時には、「全日本プロレス中継」で次期シリーズが紹介される時のテーマ「マシンガン」が流れていた。

 そして「スカイハイ」とともに、ミル・マスカラスとドス・カラスの覆面兄弟が入場。2人はセミファイナルにも出場し「スカイハイ」を2度も聴くことができた。続いて初代タイガーマスク(佐山サトル)だが、ここでは「お前は虎になれ」や「タイガーマスク二世」ではなく、古舘伊知郎アナの「燃えろ!吠えろ!」が使用された。

 次に全日本プロレスの新旧社長として、秋山準(49)が「STERNNESS」で、武藤敬司(56)が「HOLD OUT」で入場したが、こちらは平成になってからの名曲。また昭和の雰囲気に戻されたのが、坂口征二氏(77)の「燃えよ荒鷲」。豪快な太鼓の乱れ打ちが、柔道日本一のビッグ・サカを象徴していた。

 そして「サンライズ」だ。スタン・ハンセン(69)だ。ブルロープを振り回しながら、ハンセンが突進してくるシーンをイメージしてしまったが、元“不沈艦”はテンガロンハットこそかぶっているものの、スーツ姿でゆっくりした足取りで入場。ロープをまたいでも「ウィーーッ!」(実際はユースと言ってたらしいが)の雄叫びは出ず。観衆があちこちで「ウィーーッ!」と叫んで催促したが、ハンセンは反応しなかった。

 そんな中で「スピニング・トーホールド」が流れた。ザ・ファンクスのテーマに乗って、ドリー・ファンク・ジュニア(78)がムチを持って現れた。弟のテリーは来なかったが、セレモニーの大トリにふさわしい元NWA世界ヘビー級王者で現PWF会長のドリー。リングに上がってマットにムチを打ち付け、かつての宿敵・ブッチャーを驚かせた。あの流血戦は蔵前国技館の時代だった。「スピニング・トーホールド」は、日本のロックバンド、クリエイションの作品で、竹田和夫のギターの音色にしびれる。

 メインイベントの勝者となった宮原健斗のテーマ「BREAK HEART」で締めかと思ったが、メインの後にジャイアント馬場追善セレモニーがあった。テンカウントゴングをはさんで馬場さんのテーマ「王者の魂」が2バージョン流された。出場メンバーによる記念撮影が終わり、退場時に最後に流れたのは、坂本九さんの「上を向いて歩こう」だった。馬場さんが米国武者修行時代に、励みにしたという「SUKIYAKI」として米国でヒットした名曲だった。素晴らしい選曲だ。

 それにしても国技館に鳴り響いた名曲の数々…。元祖プロレスのテーマ曲集だったオムニバスLP「プロレス・スーパー・ファイターのテーマ」(1979年、キングレコード)を思い出した。

 新日本プロレス、全日本プロレス、国際プロレスが混成の画期的な名盤。プロレス好きの野末陳平氏(元参院議員)が選曲した収録曲は「炎のファイター」、「ドラゴン・スープレックス」(藤波辰巳)、「吹けよ風、呼べよ嵐」、「スピニング・トーホールド」、「人間風車」(ビル・ロビンソン)、「阿修羅」(阿修羅原)、「チャンピオン」(ジャイアント馬場)、「燃えよ荒鷲」、「チャイニーズ・カンフー」(ジャンボ鶴田)、「スカイハイ」、「スカイダイバー」(ラッシャー木村)、「ロッキー」(ロッキー羽田)の12曲。

 平成も終わろうという時代に、このうち5曲を本人が使用して入場するとは…。さらに本人ではなかったが、百田光雄(70)がバトルロイヤルで優勝した時には「ロッキー」が流れ、第3試合でビル・ロビンソンさんの弟子である鈴木秀樹(39)がダブルアームスープレックスで勝利した時には「人間風車」が鳴り響いた。ほかは故人かと思ったら、藤波は現役ながら出番がなかった。図らずも「プロレス総選挙」(2017年、テレビ朝日)のような状況を導いてしまったが、「ドラゴン・スープレックス」は「スピニング・トーホールド」に並ぶ、必殺技がタイトルの名曲だ。これを機に“プロレス入場テーマ総選挙”をネットで論争していただきたい。(酒井 隆之)

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