智弁和歌山の黒川&東妻ドラフト候補コンビ、センバツで中谷監督に初V届ける

センバツでの活躍を誓った智弁和歌山・黒川史陽主将(左)と東妻純平(右)

 第91回センバツ高校野球大会(3月23日から12日間・甲子園)、2年連続13度目出場の智弁和歌山。昨春センバツ準優勝メンバーで、主将の黒川史陽(ふみや)内野手と副将の東妻純平捕手(ともに2年)の今秋ドラフト候補コンビが、昨年8月に就任した中谷仁監督(39)に初Vを贈ることを誓った。

 四半世紀ぶり2度目の優勝を目指す智弁和歌山の注目は、東妻と黒川のドラフト候補コンビだ。副将の東妻は、昨秋ドラフトでロッテ2位の勇輔投手(22)=日体大=を兄に持つ。「目標は優勝」と、4番打者は強い覚悟を示した。

 二塁までの平均送球タイムは1秒83、遠投は125メートルで、最速155キロ右腕の兄に負けない“キャノン砲”を兼ね備える。中学時代は遊撃や外野を守っていたが、高嶋仁前監督と中谷監督に強肩を買われて高校から本格的に捕手を始めた。阪神、楽天、巨人で捕手として活躍した指揮官からの要求は高く「捕手は目配り、気配りが大事」など、人間性の重要さを口酸っぱく言われている。

 主将の黒川は昨春センバツで勝負強さを発揮した。創成館(長崎)との準々決勝で延長10回に逆転サヨナラ2点二塁打をマーク。東海大相模(神奈川)との準決勝でも8回に同点の2点タイムリーを放った。上宮(大阪)の主将として1993年センバツで初優勝した父・洋行さんに続く全国制覇が懸かるが、「昨夏の甲子園で1回勝つ難しさを教えてもらった」と、近江に初戦敗退した教訓を生かそうとしている。

 昨年までは二塁で、現在は遊撃へのコンバートに挑戦中。「上(のレベル)でやっていく上では両方守れるようにしないといけない。(打撃では)3番打者として、簡単にアウトにならないことが一番大事」と、昨年のレギュラー4人が残るチームを引っ張っている。中谷監督に「目標に向かって、とことん突き詰めてやっていける天才。ブレーキをかけてやらないと、怖いぐらい練習する」と言わしめるほどだ。

 東妻の兄は2014年センバツ1回戦で延長15回にサヨナラ暴投し、明徳義塾(高知)に1回戦で敗れた。「センバツでは思うようにやったらいい」と勇輔から激励された弟は「ずっと目標なのはお兄ちゃん」と、4季連続の甲子園で兄の無念も晴らすつもりだ。(伊井 亮一)

 ◆中谷監督、名将の教え胸に甲子園で初采配へ

 中谷監督は97年夏に主将として全国制覇した。元プロが選手と監督で甲子園優勝なら史上3人目の快挙だ。高嶋前監督からは勝ちに対する執念を学び、「ときには星野(仙一)監督のように熱く、ときには野村(克也)監督のように緻密に準備し、原(辰徳)監督のようにスマートに心に残る一言を吐ければ」と、野球人生で師事した名将の“いいとこ取り”で甲子園初采配を振るう。

 ◆黒川 史陽(くろかわ・ふみや)2001年4月17日、奈良・北葛城郡河合町生まれ。17歳。幼稚園年中から「河合フレンズ」で始め、河合第一中ではボーイズリーグの「泉州阪堺ボーイズ」でプレー。選抜チームの「NOMO JAPAN」で主将を務め、東邦の石川昂弥、創志学園の西純矢らとチームメート。智弁和歌山では1年春からベンチ入り。弟・怜遠(れおん)は4月から石川・星稜に進学予定。高校通算15本塁打。182センチ、83キロ。右投左打。

ナイター照明に照らされ、素振りを行う智弁和歌山・黒川史陽主将

 ◆東妻 純平(あづま・じゅんぺい)2001年7月3日、和歌山市生まれ。17歳。紀伊小1年から「紀伊少年野球クラブ」で始め、紀伊中ではボーイズリーグの「紀州ボーイズ」でプレー。2年夏と3年春に全国大会出場。智弁和歌山では1年春からベンチ入り。高校通算18本塁打。174センチ、75キロ。右投右打。

守備練習で一塁へ送球する東妻

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